暁 〜小説投稿サイト〜
ゾンビの世界は意外に余裕だった
12話、色々たくさん
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 十一日目。午前零時。

 研究所から土建屋の駐車場までにくる間、俺は不手際だらけの第一次遠征をちょっぴり反省していた。限られた兵力を分散してあっちに行ったりこっちにきたり、第一次遠征第ニ幕はもう少し安全運転にしたいところだ。

「依然としてホームセンター付近では千体以上のゾンビが県道を塞いでいます。如何なさいますか?」

 キャリーの嬉しくない報告を聞き少し悩んだ。場合によっては自衛軍の基地から研究所に輸送隊を送るかもしれない。多少掃討しておいた方が良いのだろうが、時間はあまり使いたくない。

「邪魔なゾンビのみを排除しながら前進する。命令あるまでは銃を使わずに道を切り開け」

 戦闘アンドロイド達が車を降りて車列の周囲を固めた。アンドロイド達はすぐにゾンビを動かないご遺体に変え、手際良く道の端に追いやっていく。

 ホームセンターに再接近したら、まだ銃声が響いていた。俺はいい人達なら頑張ってと内心で応援しつつ、ホームセンターを通過する。

 午前ニ時半になり、ようやく自衛軍の基地前に到達した。暗い間に研究所に着ける輸送隊を出すことはほぼ不可能だろう。

 居残り組の指揮官カール大佐からの報告では、敷地内のゾンビが何十体か制圧地域にやってきて排除した以外、平穏だったらしい。

「車列を自衛軍の基地に入れる。撤去作業を始めろ」

 まだ二百メートル近い道が車で埋まっていたが、今度はショベルカーなどがあるから朝までに片づくだろう。

 自衛軍の基地から五百メートル地点に、ニ十台ほどの車を偽装用として壁のように配置した。道が開通していないと別の来訪者に思わせられるかは微妙だが、カモフラージュで対立を避けられるなら儲けものぐらいに考えておく。

 疲れているおかげで眠れそうなので、俺は耳栓をしてワンボックスの中で仮眠をとることにした。

「ボス、開通しました」

 まだ外はまだ薄暗い。

「今何時だ」
「四時三十分です」

「よし、自衛軍の基地に全車を入れろ」

 俺は再び自衛軍の基地にやってきた。まだ丘にある弾薬庫と入り口付近しか確保していないのでこれから本格的な制圧を進めるつもりだ。まずは昨日発砲のあった第一兵舎に優先的に部隊を送る。

「大佐。俺は一、三、四号車で第四駐車場あたりを見てくる。大佐は二十ニ体いるM-27と戦闘アンドロイドで部隊を編成して、八階建ての第一兵舎と四階建ての連隊本部の制圧を頼む。分かっていると思うがなるべく火器は使うな」 

 通常、戦闘アンドロイドは自分で考えて行動できるが、戦闘ロボットは決まった任務だけをこなす。だが戦闘アンドロイドが戦闘ロボットを指揮すれば、臨機応変に対応できる戦術分隊になる。

「了解です。グスタフ少佐に兵舎を制圧させ、レムルスに連隊本部を制圧させます」
「分かった。それからグレーブスにでも敷地の壁やフェンスに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ