12話、色々たくさん
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まだまだ元気そうだ。
ぼ、暴力反対というか、暴力は使いたくないなあ。もう一度だけ慶太に説得させよう。
「慶太、四等兵一号を連れてヤンキーに待機するよう指示してくれ、従わなかったら基地から追い出すって」
それから俺は一人で佇んでいる自衛軍の兵士に挨拶した。真っ先にこの人から話を聞くべきだったのかも。
「貴重な水と食糧を分けて頂きありがとうございます」
「いえ、それで体調はどうですか」
「問題ありません」
念のため衛星兵一号に診察させたが問題ないようだ。
ふと見ると金髪男女が不機嫌そうに待機していた。説得は成功したようだ。慶太も戻ってきた。
「あちらの兵舎まで行けばヘリで逃げられたようですね」
「そのようですね。自分は第二ゲートから体育館に向かう部隊に居たのですが、不死者……失礼、病人の波に飲みこまれて気づいたらここに逃げ込んでいました」
「ここの車は鍵がささっているようですね」
「ここの車はドアをロックせずに鍵を残すよう指導されていたのです。持ち主が従っていてくれたおかげで、命びろいしたようなものです。そうだ命拾いといえば第一兵舎と第三兵舎には生き残っりがいるかもしれません。閃光と発砲音を確認しました」
「なるほど、情報をありがとうございます」
島田一等兵は臨時招集の予備役組らしい。普段は三十五歳で市内の工場で働いていたそうだ。契約書を見せて勧誘したら、「家族を市街地に残しているから戻る」と宣言されてしまった。
「分かりました。武器はお持ち頂いて結構です。車が必要なら手配しましすが、第二ゲートからの道しか確保できていません」
「助かります。第二から出させていただきます」
「キャリー?」
「グレーブスの手があいたようなので必要なものを用意させます。第二ゲートの大佐にも報告しておきます」
突然、島田一等兵がギョッとしたような顔になり「大佐殿?」と喘ぐようにいった。
「ただのあだ名ですよ」
「そ。そうですか」
俺はキャリーに小声でいくつか確認をしたり指示を出してから島田一等兵に告げた。
「ここに乗用車を回すよう手配しました。武器と食糧、防災用カバンを乗せてあります」
すぐにS3が運転する車がやってきた。
「そうだ。言い忘れるところでしたが、向こうにある第三駐車場には武器弾薬を満載したトラックや戦車がありますよ」
「嬉しい情報です」
俺は島田一等兵に手を差し出した。彼にはなんとなく好感を持てる。彼の家族にまで好感が持てるかわからないが、一応声だけはかけておこう。
「我々はしばらくここにいますし、自然公園東の県道合流地点の付近にある土建屋を定期的に見回る予定です。あくまでもご家族次第ですが我々と相性が悪くても別の包容力あるグループを紹介しますよ」
俺は別荘を根城にするファースト
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