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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
37.宴と始まり
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いのギターケースを背負っている。その中には真祖さえも殺すことができる獅子王機関の秘密兵器の“雪霞狼”と“夢幻龍”がそれぞれに入っている。
いつでも彩斗と古城が暴走してもそれを止められるように彼女らは常備しているのだ。
「それで先輩はなにを買いにいくんですか?」
「文化祭の必要な小道具類だ。浅葱のやつに暇なら買ってこいって押し付けられたんだよ」
それに授業でサボっていた彩斗も付き合わされたというわけだ。
古城がポケットから四つ折りにされた紙を取り出して広げる。それは学校で配布されたプリントの裏に買ってくる物の一覧が書かれている。
ガムテープ、A4用紙、教室の飾り付けに使うであろう綿や黒い布などが乱雑な文字でそこに書かれている。
だが、その一覧の後半は、飲み物、お菓子、カップ麺、デザートなどの明らかに文化祭に一切関係ないような名前の商品がずらーっと並んでいる。文化祭にいる物よりも食べ物類の方が多いのではないかと思うくらいだ。
彩昂祭で一年B組の出し物はVRMMO──すなわち
仮想現実大規模多人数
(
ヴァーチャルリアリティ・マッシブリーマルチプレイヤー
)
お化け屋敷だった。
最先端のバーチャルリアリティシステムと“魔族特区”で開発された幻術の融合によって、かつてないリアルな恐怖体験を生み出す体験型ホーンデッドハウス。
彩斗が熟睡している間に決まったことなので詳しくは知らないのだ。
「浅葱の野郎。後で建て替えるとかいって頼みすぎだろ。貧乏学生の財布の金額をゆうに越えてるっつうの」
「まぁ、古城の財布だけで足りるだろうから俺は財布持ってきてねぇからな」
「ふざけんなよ、彩斗!」
「冗談だっつの。本気にすんな」
彩斗はいつものように不敵な笑みを浮かべたのちに大きなあくびをするのだった。
「そういえば、姫柊のところはなにをやるんだ?」
「そ、それは秘密です」
やけに慌てる雪菜に少し疑問を覚える。彼女は必死に隠すつもりなのだろうが、古城の妹の暁凪沙に訊けばペラペラ話してくれそうだ。それに同じ中等部なら叶瀬夏音に訊いてもわかるだろうからここで別に無理やり問いただすのも時間を浪費するだけだ。
「とりあえず早く買い出し済ませて戻ろうよ。そろそろ日がくれちゃうからさ」
友妃が急かすように彩斗の背中を押していく。
「それもそうだな」
買い出しを終えて彩海学園の校門を再びくぐった時には太陽は水平線からわずかに顔を出す程度になっていた。もう三十分もすれば太陽は完全に沈み辺りは人工的な光源に包まれるであろう。
ようやく吸血鬼である彩斗と古城は動きやすい時間になってくる。
雪菜は自分のクラスがまだやっているかもしれないからと中等部の校舎の方へと戻って
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