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ケーキがあれば
ケーキがあれば
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予想通りだから、今のあんたの状況はね」
「本当にね」
「ううん、参ったわ」
 見ればだ。彼女は確かに大きくなった。しかしそれはだ。
 横にだった。極端にではないが明らかに太っていた。一割か二割程横に大きくなってだ。そのうえで友人達にこう話したのである。
「まさかこっちに大きくなるなんて」
「乳製品をスケーキでって」
「食べやすいから余計に太るのよ」
「そんなの考えたらわかるでしょ」
「そうね。今そのことに気付いたわ」
 今更であった。クラスメイト達にとっては。
「いや、本当に」
「言わなくてもわかることじゃない」
「こんなの常識だと思うけれど?」
「だから忘れてたのよ」
 そうだとだ。愛乃は彼女達に不機嫌な声で返す。
 そしてだ。こう言うのだった。
「背が大きくなるどころか太るなんてね」
「暫くはダイエットね」
「それに専念ね」
「背が高くなったら」
 その時はどうなっていたのか。愛乃は憧れの目で話す。
「今時彼氏だってできてたのに」
「それが本音なのね」
「そうなのね」
「そうよ。否定しないから」
 愛乃は少なくとも嘘は言わなかった。それはしなかった。
 それでだ。溜息混じりにだ。こんなことも言った。
「やれやれ。とにかくダイエットね」
「ダイエットだったらカロリーなしの蒟蒻とかがいいから」
「頑張ってね」
「ええ。蒟蒻に海草に茸に貝」
 そうしたものを食べてだというのだ。
「気合入れて頑張るわ」
 こう決めたのだった。しかしだ。
 その彼女にだ。何とである。
 学校でも評判の彼、斉藤尊、料理部のホープであり外見は何処かの事務所のタレントにもひけを取らない彼が来てだ。愛乃に言うのだった。
「ええと、水尾さんケーキ好きなんだって?乳製品使ったケーキ」
「えっ、まあちょっと食べてたけれど」
 何故食べていてそれで今太ったから止めたとは言わずにだ。愛乃は答えた。
「それがどうかしたの?」
「実は僕。ケーキ好きな女の子探してたんだ」
 こう彼は愛乃に言うのである。
「それで僕のケーキ食べてくれる女の子をね」
「それが私?」
「そう。いいかな」
「ええと。実は」
 太ったのでダイエットする為にだ。ケーキを食べるのを止めようと思っている、このことを話そうと思った。しかしそれより前にであった。
 尊はだ。反則技を出してきた。その反則技は。
「あと。僕ね」
「斉藤君は?」
「水尾さんと一緒にいたいんだ」
 照れ臭い顔になってだ。愛乃に言うのである。
「駄目かな、それって」
「それってつまり」
「ま、まあね。水尾さんが嫌ならいいけれど」
 ここまで言って
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