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第六章
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第六章

 誰かを探している。それを見てだ。
 美幸もだ。少しだが察してだ。こう呟いたのだった。
「ひょっとして?」
 そのことを考えてだ。そうしてだった。
 そのうえで碧の後をつける。するとだ。
 碧はだ。ある場所に向かおうとしていた。そこは。
 医学部の研究室のある場所だった。そこに向かう彼女だった。
 そしてだ。そこを歩く拓也を見つけてだった。
 立ち止まってだ。そこでだ。
 おろおろとしだした。彼を見ながらだ。
 行こうとしている感じだが中々前に進まない。戸惑い焦っている雰囲気もある。前に進みたくても前に進めない、まさにそんな状態の彼女だった。廊下の物陰に隠れて彼を見ているから余計にそう見えた。
 それを見てだ。遂にである。
 美幸も事情がわかった。そのうえでだ。
 彼女の後ろに来てだ。こう声をかけたのだ。
「教授」
「ひっ!?」
 びくりとした声があがった。
 そうしてだ。碧は後ろを振り向いてだ。こう言うのだった。
「美幸ちゃん!?どうして」
「すいません、実は」
「ついて来てたの!?」
「そうなんです」
「来なくていいのに」
 碧は困った顔で言うのだった。
「そんなこと」
「すいません、本当に」
「仕方ないわね」
 元々穏やかで優しい性格の碧はだ。これで済ませた。
 そしてそのうえでだ。こう美幸に言うのだった。
「今から大事なことがあるけれど」
「大事なことって?」
「ちょっとね」
 多くを言おうとはしない。しかしだ。
 彼を見る。そうしてだ。
 彼女はだ。あらためてだ。
 弁当を手に持ち前に出ようとする。しかし死にそうな顔でいるだけでだ。それをしないのだ。
 その彼女を見てだ。美幸は言うのだった。
「あのですね」
「何?」
「博士が好きなんですね」
 美幸は言った。
「そうですよね」
「えっと、それは」
「それだったですね」
 美幸は碧の否定する言葉を遮る形でだ。そのうえでだ。
 こうだ。彼女に対して話した。
「一歩前に出ればいいんですよ」
「ちょっとそれは」
「駄目ですか?」
「だって私」
 ここでだ。碧の言葉が弱いものになった。そしてだ。
 美幸の下からだ。こう言ったのである。
「小さいし」
「だからですか?」
「これだけ小さいと誰も振り向いてくれないじゃない」
 自分のそのことを話すのだった。
「だからね。それは」
「ああ、教授は」
「一四五もないから」
 小柄である。そのことを言うのである。確かにだ。
 碧は小さい。本当に一四五もない感じだ。それで美幸の下から言ってだ。頼りない顔をして話すのである。
「彼は大きいし。とても」
「ううんと、そういう場合はですね」
「そういう場合は?」
「ちょっとすいませんね
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