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第六章
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」 
 こう碧に言ってだ。そうしてだった。
 身体を屈めてだ。両手を彼女の背中にやって。
 どんと押した。するとだ。
 碧の小さな身体が思いきり前に出た。それで拓也の前に出た。その彼はだ。
 碧を見てだ。目をしばたかせて言うのだった。
「若生さん?」
「あっ、うん」
 碧は彼の前に出てしまった。こうなってはだ。

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