第2話 差し入れとケンカ
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ット。友人だってさ」
って、俺は追い打ちをかけておくと、顔を赤くしてそっぽを向いたが、まあ、まずまずだろう。キャロルも口に手をあてながら笑っているし、心情はもろばれだな。
そんなところへ
「リンスレット・ローレンフロスト……とエルダ・アッシュ」
「あたしの契約精霊を勝手に餌付けするなっ、この泥棒犬っ!」
「あ! あたし、パスね」
家の紋章はアイスタイガーだから、虎系だ。とっとと、こういうときは第三者の位置にいるのに限る。
「だ、だだ、だれが泥棒犬ですって!?」
まあ、いつもの、ふたりのケンカがはじまった。「犬」だの「残念胸」だのとののしりあっているが、結局、この2人がケンカを本気でしていることを見たことはない。
リンスレットはもっと早く、召喚できる魔氷精霊フェンリルをゆったりと呼び寄せたり、それがでてくるまで、クレアも炎精霊であるスカーレットを出すのをまっていたりと。
こちらはワルキューレとひとこと呼び出すと6体のピクシーが、一緒に呼び出せるので、これもまわりから評価はたかいのだけど。
外で戦っているフェンリルとスカーレットだが、じゃれあっているようにも最近は見える。地上では、言い争っているが、とりあえずはまきこまれるのもいやなので、距離をとって各ピクシーの能力である風のシールドを展開させておく。
「これは、風のシールド?」
「あら、気がついたのかしら。初見で気がつくってなかなかのものですわね」
「それはいいのだけど、なんで俺までまもってくれるのかな?」
「能力の見極めもできないし、剣精霊を出さないのなら、私がカミトの分までまもるかないでしょう? それとも今からでも剣精霊で、あたしたちをまもってくださるかしら?」
シールドをはるのは自分自身をまもるのもそうだが、キャロルを守るっていうのが一番だ。俺がキャロルをまもるから、2人とも安心して戦っているのかもしれないっていうのはあるのかもしれないが、いいのか、悪いのか。
俺の守れる範囲は制限があるわけで、炎精霊であるスカーレットが、小屋の上に乗ってしまった。もともと高温のスカーレットに燃えやすい木の小屋で、中には藁束。あっという間に火がまわる。それに気がついたカミトは
「お、おおおおお、お、俺の家がっ!」
それを聞いて小屋の方をみたクレアが
「リンスレット。ちょっとストップ。火事!」
「ふっ、わたくしを油断させようとしても無駄……って、ほんとみたいですね」
リンスレットがフェンリルを精霊魔装として巨大な『氷の大弓』とする。得意の『フリージグ・アロー』を放ち、1本の矢を無数の矢へとして、小屋の家事は確かに消えた。
ただし、粉々に砕け散った小屋をみて、カミトは呆けているが。
これを口実
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