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第五章
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第五章

「身体にいいものは作られてますけれど」
「いえ、本当にそうだから」
「そうだったんですか」
「だからね。それでなのよ」
 かなり取り繕ってだ。美幸に話すのだった。
「今回はね」
「わかりました。それじゃあ」
「ええ、それじゃあ明日にでも作って来るから」
 碧は早速言うのだった。
「そのお弁当ね」
「はい、楽しみにしてますっていうか」
「いうか?」
「で、何を作られるんですか?」
 美幸は碧にあらためて問い返す。
「男の人の好きな食べ物っていいますと」
「まだ決めてなかったわね」
「そうですよ。それで何を作られるんですか?」
「ええと。それで男の子の好きなものっていうと」
「カロリーの高いものとかですね」
 美幸はすぐに碧に話した。
「例えば唐揚げとか。焼肉とか」
「お肉ね」
「そうですね。そういうのですね」
「わかったわ。肉料理なら」
「教授得意ですよね」
「一番得意なのは精進ものだけれど」
 健康志向だからだ。それなのである。
「それでもお肉もね」
「好きですよね」
「ですよね。それなら」
「わかったわ。それじゃあ鶏の唐揚げ作るから」
「はい、楽しみにしてます」
 こうしてだ。何を作るかも決まったのだった。
「それでは」
「そういうことでね」
 弁当の話はこれで終わった。そしてその次の日である。
 碧はだ。何故かだ。
 弁当を三つ持っていた。それを見てだ。美幸はまた言うのだった。
「あの、数違いませんか?」
「えっ、合ってるけれど」
「だから。私達が食べるんですよね」
 美幸はそのことを碧に尋ねる。
「そうですよね」
「その為に作ったけれど」
「じゃあ何で三つなんですか?」
 美幸はこの日も目をしばたかせながらだ。碧に問うのだった。
「どうしてなんですか、それは」
「ああ、これね」
「教授も私も一つで充分なのに」
「ちょっとね」
 碧は言葉を濁してこう述べた。
「まあ何ていうか」
「何ていうか?」
「とりあえず行くところあるから」
 そそくさと席から立ってだ。碧は部屋から出ようとする。
 その手に最後の一つの弁当がある。それを持って行こうとする。
 そしてだ。そうして美幸に言うのだった。
「留守番御願いね」
「何処に行かれるんですか?」
「まあ何ていうか」
 恥ずかしそうな顔になる碧だった。そうしてだ。
 本当にそそくさとだ。弁当を持って研究室を出てだ。何処かに行くのだった。
 その彼女を見送ってからだ。美幸は首を捻った。何がどうなっているのかさっぱりわからなかった。
 しかしだ。その中でだ。
 美幸は好奇心を抱いてだ。そうしてだった。
 研究室を出て鍵をかけてだ。外出中の札をかけてだ。碧の後をつけることにしたの
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