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東方大冒録
紅魔館内部。
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そして紫は消えてしまった。




































「待てよ紫!!」

と同時に目が覚めた。

「……、すげぇ生々しい夢だったなぁ……」

そして辺りを見回す。見ると、壁にたくさんの絵画が掛けられていた。どうやらここは室内で、ベッドの上のようだ。そしてかけられてある絵画のほとんどが、紅魔館の主、レミリア・スカーレットの肖像画である。ということは、ここは紅魔館で、暗基はぶっ倒れてからこの紅魔館に運ばれたということか。

「なるほどね……。そういえば足元が重い……。なんだろう?」

そういって足元を見ると、美鈴が眠っていた。帽子が脱げてしまっている。

「くー……」
「はは、美鈴だったのか……。看病していてくれたのか。ありがとな」

といいながら暗基は思わず美鈴の頭を撫でてしまう。すると、

「んー……」

少し幸せそうな顔をしてくれた。その顔がとてもかわいくて、

「やばい……。かわいい……」

思わず暗基が呟いた。それと同時に、部屋のドアが開き、

「お目覚めのようね。気分はどうかしら?」
「うへぇぁうぁ!?」

咲夜が入ってきた。突然のことだったので、どこから出てくるのかわからない声が暗基から出てきた。

「ふふふ……! どんな声だしてるのよあなた……!」

そしてそれがつぼったらしく、咲夜は笑い出してしまった。

「な、なんだよ別にどんな声出したってかまわないだろ!?」
「うふふ、ごめんなさい。きっと美鈴の頭をなでてたりするんだろうなぁと思って、今この部屋に入ったのだけど、どうやら図星だったようねその反応だと」
「んぐっ……!」
「別に怒ったりはしないわよ。美鈴もたまにかわいいところを見せるからね。これで居眠り癖がなかったら、本当に可愛げあるのだけど……」

と、咲夜はどこか遠くを見るような目をしたのだが、顔は美鈴を向いていた。その顔も暗基にとってはまさに絵になるようで、

(咲夜さんあんたも今の顔素晴らしいっすよホント!!)

と、思うだけにしておこう、と心に決めた暗基である。

「あっ、ところでここって紅魔館か?」
「えぇ。そうよ。今はもう、胸を張っては言えないけどね……。一応、ここは私の部屋よ」
「……、そう、か……。ありがとな。さて、話をしようか」

下手に雑談をするような雰囲気にはとても感じられない重い空気を感じたので、さっさと本題に入ることにする。

「そうね。ほら美鈴、起きなさい」

といって咲夜は美鈴に近づいていった。ふつうに揺すって起こすのかと思った暗基だったが、その考えは甘かった。

グッサァ!
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