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渦巻く滄海 紅き空 【上】
七十七 結末
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の端に捉えた。

綱手が単独で闘えば、身体の自由が利かぬシズネなどあっという間に蛇に押し潰されるだろう。故にシズネを支えている綱手は蛇の攻撃を避けるのに精一杯。
ワシが相手するしかないか、と自来也は大蛇の頭上にいる大蛇丸とカブトを睨み据えた。印を結ぶ。

「【土遁・黄泉沼】!!」

刹那、蛇達の真下の地面がぬるりと沼へ変わった。
ずぶずぶ沈みゆく底無し沼で蛇ニ体がのたうち回る。その光景に自来也はホッと息をついた。これで蛇達は動けまいと、一瞬気が緩んだその瞬間、背後に巨大な影が落ちる。

衝撃。

「エロ仙人!」
「自来也!」
ナルと綱手の声が響く。彼女達の叫びを自来也が耳にしたのは薄闇の中だった。
陰気な空気が漂う仄暗い場所。背後から大蛇に呑み込まれたのだ。
「チィッ」

瞬時にこれ以上呑まれまいと、【忍法・針地蔵】の印を結ぶ自来也。針金の如き鋭い髪で蛇の喉元を押さえる。
だが逆に口内の激痛で蛇が暴れ、足場が悪くなる。なんとか踏み止まりつつ、自来也は眉間に皺を寄せた。思案する。
(一体、地面にでも潜んでいたか…)

カブトが口寄せした蛇はニ体ではなく、三体だったのだろうと結論づける。とにかくさっさとこの蛇から脱け出そうと考えを巡らせていた自来也は気づかなかった。

戦場と化したこの場に、敵が一人増えている事実に。








「エロ仙人…!!」
蛇に呑み込まれた自来也。師を助けようと駆け出したナルは何気なく底無し沼に目線をやった。嵌った蛇を見る。
沼に沈みゆく一体の大蛇。

足を止める。奇妙な現象にナルは瞳を瞬かせた。大蛇丸とカブトは既に蛇の頭から地上へ飛び移っている。沈みゆく蛇からとうに脱している彼らを目の端に捉え、ナルは改めて沼に目をやった。

沈下したのは大蛇丸とカブトが乗っていた大蛇だったのか。ならば、もう一体は何処へ行ったのか。【黄泉沼】に嵌った蛇はニ体だったはずだ。

不可解な光景に足を止める。その一瞬の隙を狙って、アマルが動いた。ナルと綱手の間に割り込む。ナルを追い駆けていたパックンが咄嗟に飛退いた。

「…ッ、アマル!?」
「―――【忍法・毒霧】!!」

頬を膨らませたアマルが綱手とシズネに向かって何かを吐き出す。見るからに毒々しい色を帯びた霧。それを見た瞬間、シズネが必死の形相で叫んだ。

「…ッ!?ナルちゃん、ソレを吸い込んじゃダメ!!」
シズネの警告に、ナルとパックンは身体を強張らせた。咄嗟に口を手で押さえ、息を止める。

【忍法・毒霧】――…一吸いでもすれば猛毒が全身に廻る、危険な毒物。シズネがアマルに教えた術である。

だが毒の霧は警戒するナル達ではなく、綱手とシズネのみを包み込む。後ろを振り返ったナルの視界に飛び込んだのは
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