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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
死の弾丸
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で引っ張っといて、命と釣り合うような報酬って何だろうなってだけ。ねー、シゲさん?」
「……情報じゃ」
「情報?そのために僕達に命を掛けろって?」
話にならない、とばかりに。
心底から吐き捨てるように鼻を鳴らす少年を前に、老人は静かに、厳かに
「君の兄――――小日向相馬に関する重要な、という前置きがつくがの」
言い放った。
フロントガラスに細かな斑点模様ができつつあるのを見て、八伎総一郎はワイパーを起動させた。
今の時代、次第に衰退させられていっている化石燃料を使っているエンジンから、律動的で心地よい振動が、アクセルを踏む足を通じて伝わってくる。
相棒の木瀬宗次は、うるさいだの臭いだの時代遅れだの色々やかましいが、八伎から言わせれば今主流になりつつある電気自動車のほうが信用ならない。アクセルとブレーキの重さ。ハンドルの微妙なクセ。
徐々に最大法規速度が落とされていっている近年では、当然売りに出されている電気自動車群の出せる最大速度も目に見えて下落していっている。
要するに、無茶ができない。
別に自分はそこまで血の気の多いような人間ではないと自覚はしているのだが、それでも一人の人間の命を守る立場にあるのだから、やはり有事の際に対する対策はしたに越した事はないだろう。
ふぅ、と。
隣の助手席で軽く舟を漕いでいる木瀬の耳にも入らないような、そんな小さな吐息を吐き出して、八伎はチラリとバックミラーを見た。
途端、肌を焼く猛烈な視線。
十数年前、まだ自分が《ヤンチャ》していた頃に、雨のように、空気のように浴びていた視線が、後方約一メートルの場から強烈に放射されていた。
その出所は、後部座席に座る少女。
紺野木綿季だ。
最初、黒峰邸へと送る道すがらは、確かに彼女ならず、彼女の隣に座る小日向蓮にも視線を向けられてはいた。しかしその視線はあくまでも《警戒心》である。
当然だ。カタギの少年少女のもとに黒服の男達が現れてリムジンでさぁ行きましょう、なんて言われて何も思わずにひょいひょいついて行くヤツがいたら、ソイツは正真正銘のバカである。
だが今、彼らの――――性格には小日向蓮の、だが――――自宅であるアパートに送るまでのこの間。
リムジンの車内はピリピリとした空気に包まれている。
この中でのんきに頭をこっくりこっくりさせている助手席の野郎の頭を、これほどまでにフッ飛ばしてやりたいと思ったこともかつてないかもしれない。
視線を前方に戻しながら、八伎は思う。
その内容は当然、後ろの二人が主人――――黒峰重國から聞いた内容である。
わざわざ人払い。しかも内通者の盗聴まで恐れてか、周囲の部屋と二階
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