初年度
学園編
TURN-03『ファーストデュエル』
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【章刀side】
「さてと‥‥」
荷物の整理を終え、ヴェール──俺の精霊であるエフェクト・ヴェーラー──との絆を深めた‥‥のかは微妙だが、兎にも角にも俺は歓迎会までの時間を自室で寛いで過ごしていた。
そして現在、その件の歓迎会の時間を向かえ──‥‥た訳ではないが、俺はベッドに預けていた身を起こし、部屋を出るために簡単な身支度をする。
《ん? もう時間ですか?》
「‥‥いや、ちょっと野暮用と言うか‥‥まぁ、フラグ≠建てにな‥‥」
いつの間にか俺の横を陣取って一緒に寛いでいたヴェールの問いに、俺は曖昧に、そして少し意味深に答えた。
‥‥まぁ、わざわざ語るほどの深い意味は無いのだが。
寛いでいる間に思い出したのだが、歓迎会前と言えば十代と万丈目の間に一悶着があるタイミングだった筈。
転生二次≠フテンプレとしては、大体そこから原作に介入して行くのが鉄板。
原作に介入せず、自由気儘に進むのんびりルート‥‥と言うのもそれはそれでアリかも知れないが、俺の場合は実技試験でクロノス先生相手にワンキルを決めている為、そう言う訳には行かないだろう。
遅かれ早かれ、否が応でも原作側から接触を図られると思う。
だがそれをわざわざ待っているというのも面倒だ。
元々原作には介入するつもりではあったのだし、だったら下手に先送りにするよりは素直にテンプレに従っておくのも悪くない‥‥と言うよりもその方がむしろ良いだろうと言うのが俺の最終的な結論である。
「よし‥‥行くか‥‥」
ある程度装いを整えた俺は、目的地に向かう為に部屋を後にした。
その後ろからヴェールが『待ってくださいよぉ〜』なんて言いながら追いかけて来る。
そんなヴェールを横目に、俺は先刻配給されたばかりの携帯端末『PDA』を懐から取り出し、学園内の地図を画面に映す。
ながらスマホならぬながらPDA≠してしまうのもなんなので、一応立ち止まる。
このPDA、生徒の学生証代わりになるだけではなく、通信機能やメール機能、今し方使用した地図機能なんかも付いていて、とても便利な代物である。
『一学生にこんな便利な物‥‥』とも思ったが、現実とは違いってこの世界において決闘者≠ニ言う存在は立派な職業であり、それを育成する為の機関なのだからこれくらいの投資は普通なのかも知れない。
そんな事を考えながらも目的地を確認した俺は、PDAを懐にしまい、その場所に向かって歩き出す。
いきなり歩き出した事に驚いて出遅れたのか、またしても背後からヴェールの『待ってくださいよぉ〜』と言う声が聞こえてくる。
‥‥が、俺はあまり気にせず、目的地に向かって歩みを進めた。
「ここだな‥
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