神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.4 波乱の会議・前編
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いた直後に、効率のいい狩場や報酬が豪華なクエストを片っ端から受け、自分たちを強化し続けた。
その結果、狩場のモンスターは狩り尽くされ一部の討伐系クエストの難易度は跳ね上がった。当然、元βテスター以外のプレイヤー達は激怒し、今では元βテスターだとバレたら吊るし上げられる危険性さえある。
キバオウが言いたいのもつまりそういうことなんだろう。『元βテスター達が他のプレイヤーを見捨てて自分たちだけを強化して狩場やクエストを独占したせいで、一般プレイヤーが死亡したり攻略が遅れた。だから謝罪しろ』と。
俺からすれば言い掛かりどころか妄言もいいところだが、キリトには違ったようだ。
俺もキリトも元βテスターで、あの初日の時にも他の奴らと同じようにすぐに《はじまりの街》を出て次の村に向かい、狩場で効率よくレべリングしクエストを片っ端から片付け、自分を強化し続けた。俺はそのことに何の罪悪感も覚えてないが、キリトは違う。
前に会ったときに聞いたのだが、キリトは初日に出会った一般プレイヤーを街に置き去りにしたことを激しく後悔してるらしい。だから、キバオウの発言の意図に真っ先に気付いたのだろう。
そんなことを考えてる内に、キバオウが馬鹿でかい声で元βテスター達を批判していた。あんなにでかい声で喋ったのに気付かないとか、俺の集中力の高さも考え物だな。
キバオウの発言により、広場のあちらこちらが『元βテスター許すまじ。出てきたら糾弾してやる』みたいな雰囲気になっている。別にこの場で『俺、元βテスターです。でも他の奴らが死んだことに対して謝罪する気ゼロです♪』なんて言って出てってもいいんだが、それをするとほぼ間違いなく一緒にいるキリトやシズク、フードの女も疑いの目を向けられる。
キリトが疑われた末バレて糾弾されるのは別にかまわないが、シズクやあのフードの女――――特にシズクの方は、俺のせいで疑われたりしたらまず間違いなく根に持つ。しかもネチネチと長い時間をかけて償わせようとしてくる。具体的に言うと金とか飯とかをタカってくる。
そんな予感がするので俺は出頭を自粛したが、それでは会議が一向に進まない。さてどうしたもんかと思ったその時、我らが頼れるリーダーのことを思い出した。
(という訳で、頑張れディアベル)
期待と応援を込めて視線を向けると、ディアベルは厳しい表情をして口を閉ざしていた。どうやらあいつはこの件に関しては基本的に不干渉なスタンスらしい。肝心な時に役に立たねえな我らが頼れるリーダー(笑)。
ディアベルがダメとなるといよいよ手詰まりになってきた。キバオウはこの話題から話を変える気はないようで睨むような視線を周りに送ってるだけだし、キリトも震えながらそれを凝視しているだけ。シズクとフードの女は
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