神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.4 波乱の会議・前編
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で待ってるみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場所にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ!そうだろ、みんな!」
再びの喝采。何かもう場の空気に流されてるとしか思えないほど熱狂しているが、こういうのもたまには悪くないのかもしれない。ということで俺も拍手の一つや二つ送るべきかと思ったが、幸か不幸かその前に一つの声が上がった。
「ちょお待ってんか、ナイトはん」
歓声がぴたりと止まり、前方の人垣が二つに割れる。空隙の中央に立っているのは小柄ながらもがっしりとした体格の男。装備してる片手剣とサボテンみたいにツンツンと逆立った茶髪しか見えないが、恐らく年中不機嫌そうな顔をしてるような人種だろう。あくまで直感に過ぎないが。
そのサボテン頭は一歩前に踏み出し、デイアベルのムカつく美声とは正反対の濁声で唸った。
「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」
だったらさっさと自分の宿に帰れ、と俺は思ったが、出来た人間のディアベルは突然の乱入にもほとんど表情を変えなかった。余裕あふれる笑顔のまま、手招きしながら言う。
「こいつっていうのは何かな?まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するなら一応名前くらいは言ってもらいたいかな」
「…………フン」
サボテン頭は盛大に鼻を鳴らし、一、二歩進んで、噴水の前まで行ったところでこちらに振り返り、言った。
「わいは《キバオウ》ってもんや」
キバオウは鋭い眼光で周囲を睨んで――――一瞬、キリトと視線が合った瞬間止まった。が、すぐにまた周囲を見回し、それからドスの利いた濁声で言う。
「こん中に何人か、詫び入れなあかん奴らがおるはずや」
キバオウの発言に広場にいる奴らがざわめき出す。恐らくキバオウの言ってる《詫びを入れなければいけない奴》というのに心当たりがないのだろう。俺も無いが。
誰か心当たりありそうな奴はいないかと思って周りを見渡すと……いた。一人、露骨に反応してる奴が。
キバオウの言葉に動揺してるらしきキリトは、釘付けになったように視線がキバオウに注がれている。呼吸も荒い。
心当たりがあるなら教えろとキリトを問いただそうかと思ったが、その前にディアベルが答えを言った。
「キバオウさん。アンタが言ってる《奴ら》ってのは、もしかして元βテスターの人達のことかな?」
ディアベルのその言葉で、俺はすべてを理解した。
元βテスター。それはある意味、現在この世界で最もデリケートな単語だ。
SAOの正式サービスが始まる前の一ヵ月間の《クローズドβテスト》。それに参加していた者たちを、通称βテスターと呼ぶ。
βテスターの多くは、正式サービス開始初日のあの茅場の宣言を聞
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