神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.4 波乱の会議・前編
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ぐに別れたらしいが、どうせどこかでまた合流したのだろう。
俺はとりあえずキリトの近くに向かい――――無言でその背中を蹴り飛ばした。
「どわっ!?」
「ちょ、ルリくん!?」
蹴られたキリトは、危うく腰掛けていた階段から転げ落ちそうになるのをギリギリで堪えた。
「おいルリ!久しぶりに会った友人に挨拶も無しに蹴りを入れるのは、人としてどうかと思うぞ!?」
「そ、そうだよルリくん!さすがに蹴るのはダメだよ!」
被害者であるキリトと割と良識人だったらしいシズクの言葉を聞き流し、俺は堂々と言ってやる。
「『女連れの男に容赦はするな』っていうのが俺の理念だから仕方がない。女連れのお前が悪い」
別の言い方をすると『リア充爆発しろっ!』とも言う。
「ちょっと待て。こじつけにもほどがないかそれ!?俺は悪くないだろ!?」
俺の断定を受け、さらに狼狽するキリト。まあ、そりゃそうだろうな。俺も同じこと言われたらキレるし。
「……盛り上がってるところ悪いけど、そろそろ会議が始まるみたいよ」
キリトの反撃(主にグーパン)を軽くいなして遊んでると、今まで黙っていたフードの女がそう言った。
キリトにフォーカスしていた意識を周りに広げると、確かに金属鎧を着た青髪の優男が会議開始の旨を参加者に伝えていた。
初っ端から和を乱すのも何だったので、俺はキリトの頭をはたいて黙らせ、階段に腰掛ける。
全員が話を聞ける体勢になるのを確認し、青髪の優男が話し始める。
「今日は、オレの呼びかけに応じてくれてありがとう!知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな!オレは《ディアベル》、職業は気持ち的に《ナイト》やってます!」
その自己紹介に会場は大きく湧き、いくつか野次が飛びかう。
SAOにはシステム的に規定されたクラスは無いが、本人が自称することは別に禁止されていない。確かにあのディアベルとかいう男の装備は騎士っぽい感じがしなくもないし……何よりあの顔。騎士らしい爽やかさとかがバシバシ出てる。
もしこの《第一層ボス攻略会議》という舞台を用意した理由に《女性プレイヤーとの出会い》が含まれているんだとしたら、女性プレイヤーが実質二人(シズクとフードの女のこと)、見た目にも二人(シズクと……不本意ながら俺のこと)という状況はさぞかし悲しかろう。ざまあ。
まあ、俺のそんな邪推は杞憂(むしろ徒労?)に終わり、ディアベルは爽やかイケメンオーラを維持したまま話を進めた。
「一ヵ月。ここまで、一ヵ月かかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。ボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームそのものもいつかきっとクリアできるんだってことを、《はじまりの街》
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