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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――3
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、友人……人と人が集まり、繋がった特定の集団の中でしか意味をなさない。法というのは、つまりそういうものだ。だから上は法律から始まって下は校則――いや、それこそ特定個人間での暗黙の了解まで多種多様な法が点在する訳だ。もちろん、複数の集団で共有される法――例えば、この世界で言う国際法など――はある……が、この世界の統治者たちと連中に何かしらの繋がりがあるとはとても思えない。
 ちなみに、だが。その法……その文化が有効である範囲を強引に拡大する手段は俗に侵略と呼ばれている。そして、侵略には必ずしも武力を伴うとは限らないし、笑顔ですり寄ってくる侵略者も珍しくはない――と、その辺りを軸にして理論武装しておくべきか。それで連中を追い払えれば安いものだ。しかし、それにしても――
(この様子だと、なのはは俺をおびき出すための餌ってところか)
 ジュエルシードを封印しても、なのは達が移動する気配がない。周囲を見回し、何かを探しているようだった。そして、そのなのは達を管理局の監視機械が見張っている。向こうの思惑はともかく、役割としてはまさしく餌だろう。魅力的な餌だが、だからと言ってのこのこと飛び出すのは馬鹿げていた。殺戮衝動に飲まれそうになりながら呻く。
(この状態じゃあな。下手に関わればなし崩しに殺し合いになりかねない)
 それは避けたいところだ。好き好んであの子の前で殺しはしたくない――が、いい加減そうも言っていられなくなりつつあるのも事実だ。原因が何であれ、管理局の前で正気を保つのは難しい。そして、殺戮衝動を鎮めない限りそれは悪化の一途を辿る。
「さて、どうするか……」
 しばらくの後、なのはとユーノ、そしてリブロムがどこかに収容されるのを見送ってから、思わず声に出して呻いていた。
 なのはがどの程度安全な――あるいは危険な状態にあるかを知るためにも、まずは管理局の内情をもう少し詳しく知りたいところだが、残念な事に探りを入れている暇も当てもない。ついでに言えば、連中と悠長に話しあう事もできない。
(もう一度リブロムと接触できれば情報交換もできるだろうが……)
 今なのはの傍から離す訳にはいかない。分かってはいたが、打てる手は少ない。苛立ちが呼び水となって殺戮衝動が再び疼き始めた。
「光?」
 心配そうにこちらを見てくるフェイトの頭を軽く撫でてやる。その感触に、黒く染まりかけていた意識が少しだけ軽くなったような気がする。いや、苛立ちが多少なりと収まっただけか。
「管理局はこの世界の人間をどう判断すると思う?」
「どうって……どういう意味だい?」
 反応したのはアルフだった。とはいえ、質問が上手く伝わらなかったらしい。肩をすくめてから言いなおす。
「あの連中にとってこの世界の住民は自分達と同じ人間なのか、それとも犬猫同然なのかを聞きたいんだが…
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