暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――3
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関わらず、なのはが管理局に組している理由として考えられるのは、大きく分けて三つだろう。
 一つは身近な誰か――家族なり友人なりが人質に取られているから。それは俺が最も恐れていた事態の一つだ。幸い、現時点ではそれらしい様子は見られない。だが、
 もう一つは、洗脳や暗示の類で操られているから。なのは本人に限った話ではなく、家族や友人がそうなっている可能性も考えられる。その場合、見た目だけで判断するのは危険だ。そればかりは直接接触しなければ判断するのは難しい。
(とはいえ、今さら帰れないからな)
 あの家は見張られているはずだ。のこのこと敷居を跨いだ途端、家ごと吹き飛ばされる危険も――まぁ、考えておいて損はない。何せ一度はそうやって殺された身だ。
(だから、約束しただろうに――)
 ふつふつと怒りが再燃しかかったが――ここで苛立っていても仕方がない。今を乗り気ならなければ文句を言う機会すら巡って来ない。
(そうでないとするなら……)
 最後の一つは、純粋に本人の意思で協力しているという事になるだろうか。
(まぁ、最後の一つ以外だったらリブロムから何かしらの連絡があるはずだろうからな)
 基本的に洗脳や暗示の類はリブロムには通じない。もしもそうなら、必ず何かしらの連絡を寄こすはずだ。それがないという事はつまり――
(なのは本人の意思か)
 それが一番厄介な答えだった。恐れていたと言ってもいい。あの子が退かないというのであれば、自分の手で決着をつけるしかない。
(受け入れてもいいんじゃないか?)
 自分の中で誰かが囁いた気がした。だとすれば、それは俺に恨みを持つ誰かだろう。心当たりが多すぎて絞り込めそうにもないが。
「リブロムって、あの喋る本の事だよね。でも、魔法を使えるみたいなのに……」
 陰鬱なため息をつく直前、フェイトが小首を傾げた。
「そうだが……まず根本的なところで、アイツはなのはが苦手なんだよなぁ」
 それに、偽典リブロムが扱える魔法というのはそれほど強大なものではない。本来は、あくまでも緊急時の自己防衛が目的――つまり、逃げる事を前提としたものなのだから。
 まぁ、その目的から考えれば明らかに過剰な威力を叩き出せるのも事実だが。
「そうなの? 何か意外かも」
「そうだねぇ。逆なら分かりやすいんだけど。あの本、人相悪いし」
「まぁ、色々と事情があってな」
 その事情というのも、実はかなり可愛らしい……いやいや悲惨なものなのだが。
(しかし、まだリブロムと合流する訳にはいかないな)
 なのはの置かれている状況があまりに不鮮明だ。今、相棒を傍から離すのは論外だろう。プレシア・テスタロッサの力量が未知数である以上、彼女と接触するまでには合流しておきたかったのだが。■■■■■■■■■■■ではなくなった影響は、リブロ
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