幽鬼の支配者編
EP.20 ワタル迷走
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かもしれねえだろ?」
「だからしばらくは用心のためにも、みんなでいた方がいいって……ミラが」
顔を青ざめるルーシィに、グレイとハッピーも口を開く。
「そうなの!?」
「うん。だからみんな今日はお泊り会やってるよ」
「その通りだ。だから――――」
ハッピーに続いたエルザはそこで口の端を上げ、笑うのだった。
「――――で、なんで俺の家?」
「まあいいじゃないか。部屋は余っているのだから」
「そういう問題じゃねえよ……」
場所は変わってワタルの家、玄関。
家の中で筋トレをしていたため、Tシャツにハーフパンツという格好にタオルを首にかけているワタル。普段のジャケット姿しか見たことのなかったルーシィ達は彼のラフな姿が珍しかったのと、エルザとの言い合いに口をはさむ事ができず、彼女の後ろで黙っていた。
なんだかんだいってワタルの家に興味があるのか、扉の隙間から家の中を覗こうとはしているが。
「お前女子寮のはずだろうが」
「ルーシィも年頃だ。彼女だけをナツやグレイと一緒にお前のところに泊まらせるわけにもいかないだろう」
「俺のところにルーシィ達を泊まらせるのは決定なのね……寮でお前のところに泊まらせるというのは?」
「まあ……いいじゃないか、知らない仲ではないのだし。お前のところなら間違いは起きないだろうしな」
「だから勝手に決めるなっつーに……あーもう、分かった分かりましたよ! シャワー浴びてくるから、それまで待ってろ」
エルザの後ろに控えている3人と1匹を見る。ナツやグレイは軽装だったが、ルーシィは17歳の女性らしく、荷物も嵩張っている。
それをこのまま追い返すのも気が引けたため、ワタルはエルザに押し切られる形で彼らの宿泊を投げやり気味に認め、汗を流すために奥に消えるのだった。
「許可は取ったぞ」
「取ったというか、もぎ取った……」
「あい、それがエルザです」
「つーか、ワタルがエルザに口で勝ったことって、あったか?」
「俺の記憶には無いな」
本人が聞いたら、落ち込むか怒ること間違いなしの会話をしていること十数分。
「……またせた。ほら、どうぞ」
「邪魔するぞ……おい、しっかり髪を乾かせよ」
「もう子供じゃねーんだけど……」
「えっと……お、お邪魔しまーす」
「邪魔するぜ」
「おじゃましまーす。ほら、ナツも」
「おお。おじゃましまーっす!」
不服ながらも急いで準備したのか、髪を濡らしたワタルが出て、彼らを家の中に招けば、エルザ、グレイ、ハッピーはいつもの調子で、ルーシィは緊張しながら、ナツは不機嫌から一変して興味ありげに、リビングに入る。
「こ、これは……」
「なんというか……」
「意外と可愛いもの好きなんだね、ワタル」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ