七話:霧
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て……ああ、これも坊ちゃまのお世話係である私の責任!!!申し訳ありません!!!直ぐに辞職します!!!!!」
「分かった!!最後まで食うから辞職するな!!!」
「ああ…なんてお優しい……坊ちゃまあああっ!!!」
「抱き着くんじゃねえ!!!」
ああ、なんで昔からミランダは俺に抱き着いて来るんだよ!!!
俺もう十三歳なんだからいい加減子供扱いするのはやめてくれよな……まあ、そう言ったらまた直ぐに『辞職します!!!』て言い始めるだろうから言わないけど。
冗談で言っている?違うな、一回本当に父さんに辞表を提出してるところを見たからな、もちろん直ぐに止めたけど。
「抱き着くなと言われましても坊ちゃまを抱きしめることこそが私の生きがいなのですから無理な話です。」
「もう少しまともな生きがい見つけやがれ!!!」
「そんな…!!坊ちゃま、ご自分を過小評価しないで下さい!!!坊ちゃまは唯一無二の存在!!!この世でもっとも崇高な存在です!!!!!」
「そう言う意味で言ったんじゃねえよ!!!」
毎度思うがミランダの俺に向ける感情はメイドが主人に向ける感情ではなく、姉が弟に向ける感情のような気がする、それも極度のブラコン。
いくら昔からの世話係だとはいえ、行き過ぎてるだろ。
まあ、俺としてはよそよそしい態度を取られるよりはましだから他の奴らよりは気に入ってはいるんだがな。
ん?カスザメはどうなのか?あいつはうるさいから駄目だ。というか最近見てるだけでイラつく。
「ちっ……まあいい、クロームの所に案内しろ。」
「その前にフィレ肉を召し上がってください。食べづらいと言うのなら私が口移しで――」
「すぐに食う。」
無理やりフィレ肉を口に詰め込み飲み込む。
……危なかった幼児時代の悪夢が再現するところだった。それとミランダ、なぜお前はがっかりしてるんだ?少し怖いんだが……。
「気分はどうだ?」
「悪くはない…かな。」
「そうか……。」
どうやらクロームは大丈夫そうだな、一安心だ。
「ここどこ…?」
「お前の家だ。」
「……どういうこと?」
「そのままの意味だ。」
「一誠、そろそろ会わせてくれないかね。」
ちょうどいいタイミングだな、父さん、母さん。
「ああ。」
「まあ、こんなに可愛い女の子の親になれるなんて幸せね。ねえ、ティモッテオ。」
「ああ、そうだね、亜美。」
「えっと……」
困ったように俺の方を見るクローム、まあ無理もないか。
いきなり言われても混乱するのが普通だ。だが慣れてもらわないとな。
俺達は――家族なんだから。
「お前の望んだものだ……約束は守った。」
「家族…本当に…?」
「ああ、間違いなくお前は私の娘だよ、クローム。」
「ええ、ママって
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