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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九七幕 「戦闘宙域、突入せよ」
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てしまったらしく、血の味が広がった。
喧嘩で怪我をしたのも数年ぶりだ、と思いながら唾のように血を吐き出す。この相手――どれほどかは分からないが、最低でも勝てるかどうかが分からない程度には強い。負けて何をされるのかも分かった物ではないが、助けを呼ぶ余裕はなさそうだ。一瞬でも気を抜くと本気で意識を持って行かれる。
と、急に相手の動きが止まった。スカーフで口元は見えないが、目に小さな動揺が走るのをユウは見逃さない。
「あ・・・」
「・・・・・・?まさか『あ、あんなことろにUFOが!』とか古典的なこと言い出しませんよね」
「い、いえ・・・何でもないでゴザル!」
「まさか、どこかで会ったことでも――いいや」
ファイティングポーズを崩さないまま息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。そして、既に戦闘で火照っている身体に喝を入れ直すように大きく足を踏み鳴らした。木造の床から伝わる衝撃が、頭への攻撃で若干揺らいだ平衡感覚を万全へと呼び戻す。そして、少々動きにくかった浴衣を脱ぎ捨ててズボンとランニングシャツのラフな格好になったユウは、浴衣を庭に投げ捨てる。
「貴方の正体は、倒してから調べればいい」
「おおー・・・なかなか一丁前な事を言うじゃない、”ユウちゃん”」
その呼び方を気にするための神経は、既に戦闘に回されていた。
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