番外16『海坊主』
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けない態度の彼らにゾロが苛立ちを見せ、それを見ていたハントが口を開いた。
「ゾロはやっぱり反対か?」
「……そういうお前は最初からずっと反対してねぇようだったが?」
ウイスキーピークでも似たようなことがあった以上、ハントも最低限のというか常識的な警戒心を持っていることはゾロもわかっている。
サンジのように女に弱いわけでもなく、ナミのようにお金に弱いわけでもなく、どちらかといえばルフィ、ウソップ、チョッパーのように面白い物に目がないというようなハントだが、今はルフィたちの笑いの輪に参加しておらず、だからこそゾロは余計にニコ・ロビンの参加になんの反応も示さないハントに対して首をかしげる。
逆に質問にかけられたハントは「まぁ、俺はな」と笑顔を見せる。
「?」
その意味がわかるわけもなく、さらに首をかしげるゾロに気づかずハントは言葉を続ける。
「初めて見た時から敵意がなかったっていうか、さ。だからもともとあんまり敵として認識してなかったっていうか……そんな感じなんだよな。だからまぁ俺はもともとロビンが俺たちの仲間になることに反対ではないっていうか……そんな感じかな」
「……」
ロビンを受け入れることに対して、初めて説得力があるというか理解できなくもない言葉を聞いたゾロが考えるように黙り込み、だがやはりすぐに難しい顔を上げて呟く。
「ま、俺なりに目は光らせるがな」
ゾロなりに譲歩した言葉なのかもしれない。ハントは「それでいいと思うぞ」とどこか楽しそうに笑い、ゾロが明後日を向く。同じメリー号にいるにもかかわらずまるで別世界のように穏やかな会話をする二人に、ロビンが「いつもこんなに賑やか?」と不思議そうに尋ねる。
「ん? ああ」
「いつもこんなもんだ」
ハントとゾロの回答が、ロビンには嬉しいものなのか、楽しいものなのか「そ」と笑顔に。
こうして、ビビとカルーという仲間と一旦別れた彼らだが、またロビンという新たな仲間を迎えて航路を行くこととなった。
いつまでたっても賑やかな彼らの船に、だがグランドラインの海はやはり油断の許さない恐ろしい海で。
穏やかな状況は不意に一転する。
――人が空想できるすべての出来事は起こりうる現実である。
物理学者の言葉だが、それをグランドラインが体現して見せた。
メリー号よりも何倍も巨大な船。それが空から――
「ガレオン船?」
「……なんで」
――メリー号のまさに目の前へと落下した。
「海って広いな……というか広すぎだろ、これ」
ハントは海の広さを知り、経験を積んでいく。
恋人となったナミを、自分で守れるように。
師匠との約束を守れるように。
そして、麦わ
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