デスヨネー
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だろうか、彼女の後ろにはちんまりとした女性が不思議そうな顔で俺と千冬を交互に見ていた。
「織斑先生?」
「あぁすまない、山田先生。先に行っててもらえるか?」
「え、はい。あ、白波先生、失礼します」
そう言って食堂へ入っていく山田先生とやら。
正直、体格と風貌が合ってない気がした。身長が低いのにだぼっとした服装、さらに大き目の黒縁眼鏡で若干ずれている。無理矢理大人な女性をアピールしているように思えたのは俺だけじゃないはずだ。
「それでお前はここで何をしている?」
「何って食堂から出てきたんだ。飯を食べ終わったと思えよ」
さらっと嘘をつけるようになったよな。これも世界を旅した成果だな、全然嬉しくないけど。あと嘘をつくのは控えないと。目の前に居る奴は嘘に敏感な類なんだから。
ほら、千冬の奴、半目だよ。めっちゃ疑われてる。どんだけ信用ないんだよ。
「ほら、山田先生が待ってんじゃないのか?」
睨まれっ放しは身体に悪いから、さっさと食堂へ行くように促す。そして、睨むのを止めないまま千冬は俺の横を通り過ぎて食堂へと入っていった。
「ふー、なんであいつと話すだけでこんなに疲れなきゃならねぇんだよ」
「ねぇねぇ、織斑先生と昔なにかあったの?」
「なんもねぇって、今度は誰だ!?」
俺に心休まる時間はないのか?
隣にはなにか面白いものを見て、悪戯するぞといった顔をした彩流が立っていた。どうやらこいつは千冬とは逆で食堂から出てきたようだ。
「うわっビックリした」
「俺がビックリしたわ。彩・・・穂村先生、頼むから気配を消して近づかないでくれ」
「消したつもりはないんだけどね。で、織斑先生とはどんな関係だったのよ?」
なんでこいつはこんなに楽しそうな顔をしているんだ。
それに今気付いたが、俺達の周りに人がちらほらといる。その内の何人かは俺と千冬との会話を見ていたのだろう。そのまま彩流の質問にも興味深々と言った感じで聞き耳をたてている。
さすがにこのまま黙って周りに聞かせる話ではないので歩き出す。彩流は当然の様に俺の横を歩き、周りで聞き耳をたてていた連中は諦めたのか付いて来なかった。
「別に、あいつのISの整備をした事があるってだけだよ。それだけだ」
「織斑先生のISってモンド・グロッソで優勝した時の?」
「あぁ。ただ整備と言っても、助手程度だったが」
千冬のISの整備は全て束がやっていた。俺はただ、そのデータを纏めたり、部品を発注したり、飯を作ったりしただけで、整備はほんの少ししかやっていない。
あの二人、家事が殆どできないからそこら辺の仕事が全部俺に回ってきたんだ。
「それでも凄いじゃない。って事は、烈震って実はもの凄い人なの?」
「そんな凄くねぇって
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