デスヨネー
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よう」
偶然という訳ではなく、こういう括りなのだろう。俺の隣には彩流の席がある。椅子に腰掛けると俺と似たようなジャージ姿の彩流が挨拶をしてきた。
「おはよう、さ、穂村先生」
まだ二日目なのだから慣れるはずがないのだが、どうにもこの先生というのは恥ずかしい。呼ぶのもそうだが呼ばれるのも慣れそうにない。
今だって危うく呼び捨てで呼んでしまうところだった。他の先生が居る時に呼び捨てはさすがにまずいだろう。
挨拶を終えたあと、会議が始まるまで適当に学園規約などを読み始める。正直な話、学園の事は何一つわかっていない。一応、教師としてここにいるのだから最低限のルールはわかっていないといざとなった時に自分が困ってしまう。
「(いけね、忘れるところだった。今日は織斑一夏と接触しておかないとな)」
もう一つの役職をすっかり忘れていた。俺がIS学園に来た(来させられた)一番大事な理由と言う名の役職、織斑一夏の護衛。これを昨日はすっかり忘れていて、顔を見ることさえしなかった。
「(さて、どう会うかね。まずはどのクラスかを知るべきか。担任が誰かも分からんし)穂村先生、一つ聞きたいんだが」
「ん、なに?」
彩流はノートパソコンで何かを調べていたようだ。俺の言葉に反応はしたが手は止まらず目もパソコンから離れていない。
「織斑一夏ってどの先生が担任なんだ?」
「知らないの? 織斑先生のクラスだよ」
「は?」
なんだろう、また神様に悪戯された気分なんだが。いや、織斑先生といっただけで千冬じゃないかもしれない。もしかしたら【織村】という先生がいるんだ。そうに決まって
「だから織斑千冬先生。織斑千冬を知らないとか言わないでよ」
「デスヨネー」
100%千冬でございましたとさ。
「(これはやり辛いな)」
俺が織斑一夏を護衛する事を知っているのは少なくとも学園長と学園長代理人だけ。他の先生方は俺は単なる整備員&相談員であるとしか知らないはずだ。それは千冬も例外ではないはず。
あの感の良い千冬に感ずかれずに織斑一夏を護衛する事は可能か?
「(うん、無理。どちらかってーとあいつが傍にいるんだったら俺がやる意味ねぇじゃん)」
ここでまた俺がいる理由が消滅した。これはもう帰り支度をしてもいいんじゃないだろうか? ISの整備は彩流や他の教員でも事足りる様だし、織斑の護衛は千冬が居れば問題ないはずだ。
ほら、俺がやる理由はどこにもない。明日にでも荷物をまとめて。
しかし、ここには専用機が集まってんだっけ? ここなら正当な理由で調べる事が出来るかもしれない、命辛々調べる事もない訳だ。
「なんか、罠に嵌められた気分だ」
「なにが?」
「こっちの話だ」
荷物を纏
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