下忍編
色眼鏡
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自分の意思ではなく、ナルトの意思だ。彼に生きてほしいと思うのは、それが、『ナルト』が彼に生きてほしいと思っているからで、カトナは何とも思っていない。
ナルトがサスケに死ねというならば、カトナはサスケを殺せる。何故なら、カトナはサスケのことを、別に何とも思っていなくて、ナルトが思っているからこそ、思っているのだ。
それ以上の理由はない。
そう思い込み、彼女は、『ナルト』を王とした。
彼女が誰かを愛すのは、その人が『ナルト』に愛されているからだ。
彼女が誰かを嫌うのは、その人が『ナルト』に嫌われているからだ。
彼女が誰かを殺すのは、その人が『ナルト』に死ねと望まれているからだ。
彼女が彼女を生かすのは。
―『ナルト』が、彼女に生きろと望むからだ。
白も…そしてここにいないシカマルも、教師であるカカシさえも、ひとつだけ図り違えていた。
カトナは、サスケのことを信頼などしていない。信じてなどいない。頼っていても、別に、彼女はサスケが自分を裏切らないと、安心して背中を任せた覚えは一回もない。
彼女がサスケに背中を任せるのは、サスケが『ナルトの友達』であり、サスケが『ナルトに信頼されている』からだ。
シカマルは、彼女は一度懐に入れたものを信じきると言ったが、違う。
彼女は自分の懐に入れたものを信じきるのではない。
―ナルトの懐に入った者こそを、信じきるのだ。
カカシは、苦無での弾幕での攻撃の時「それほどまでに、サスケを信じているのか」と驚愕したが、前提が違う。
彼女はサスケを信じてなどいない。
―サスケを信じた、ナルトを信じきっているのだ。
白はカトナと自分は違うと言ったが、けれど、全く違わない。
違うのは、白は強者であり、カトナは弱者であった。
―白は最初から道具であり、カトナは最初から人間であった、それだけのこと。
結局のところ、カトナは白と全く似ていて、だからこそ、根本から覆されて、違っていて、間違っていた。そして、白とカトナが決定的に違うところがある。
それは…。
「私が好かれるのは、ナルトが私を好いてくれるからだ」
九つの尾を揺らし、薙刀を振り下ろしたカトナは、チャクラを振り回す。
いつもならば、繊細なコントロールによって保たれているチャクラは、適当に、杜撰に振りまわれ、投げ回され、白の居た鏡を次々に破壊していく。
「ナルトがすくから、皆も私を好く。私がナルトが好きな人を好くように、同じ」
カトナの体から漏れでた赤いチャクラが辺りを破壊しつくす。
「ナルトが居るから、私は、愛される。ナルトが居るから、私は、好かれる」
サスケも、イタチ兄さんも、サクラも、カカシ
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