暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
037 盗賊(フーケ)ごっこ楽しいです
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せ、棚に仕舞われている書類を遍在≠使い、効率化を図りながら書類に書かれている内容を調べていく。

「無いな…。……あっ…」

当たり前の事だが、わざわざ書類──証拠を残しているはずもなく、出てくるのはマトモ≠ネ書類のみ。なんと無しにそれらを読み進めていると、ふとこんな事を思いついた。

(“腑罪証明(アリバイブロック)”を使ったらリッシュモンの記憶を見れるんじゃ……)

「“腑罪証明(アリバイブロック)”」

……結果からいってしまえば見れた。見なければ良かった。……リッシュモンがトリステインにとってどうしようも無いほどの膿だと云う事が判った。

(……あ、王庫からもケッコーな額を掠めとってやがる)

更に目を疑いたくなる記憶が在った。

本来なら、トリステインに愛国心を持たない俺からしたらスルー安定の内容なのだが、親友(ウェールズ)の想い人──アンリエッタ姫の国でもあるので、多分に干渉する事にした。……それに、トリステインの王庫から横領したそのカネを、あろうことかレコン・キスタに横流ししていた記憶すら在った始末だ。

「……枢機卿に密告してやろう──いや」

そこまで呟いて、いつぞや──マチルダさんの時と同様ティンと来た。

(……いや待てよ、マトモ≠ネ書類を見る限りリッシュモンの仕事能力は高い方だ)

言い換えれば、トリステインにはそれくらいの人材しか居ない事になる。更にそれを言い換えれば、リッシュモンを“アンドバリの指輪”で完全な傀儡(デク)≠ノしてやり、記憶≠(こっち)で黙殺してやればトリステインの為にもなる。

(……俺も中々の下衆になったなぁ)

――バキャァァァァアン

「卿っ! 無事ですか!? ……何者だ貴様はっ! その方をどなたと心得ておるっ!? もしや高等法院長と知っての狼藉では無かろうな!」

「……取り敢えず長い。それに暑苦しい」

自分の下衆さに数秒だけ辟易しながら“アンドバリの指輪”で洗脳を施す為にリッシュモンの頭に手を掛けていると、何だか色々と面倒臭そ──忙しそうな奴がリッシュモンの書斎に入って来た。……ご丁寧に氷の扉をぶち壊してまで。

「貴様ッ!」

「おっと動くなよ? リッシュモン(こいつ)の生殺与奪の権限は俺が握っている」

「卑劣な…っ!」

(……わざわざ“アンドバリの指輪”まで使って操り人形(デク)≠ノしたリッシュモンを壊す気は全く無いんだがな…)

俺の悪役染みた──否、状況を鑑みるにまんま悪役なセリフにぐぬぬ≠ネ表情をしている闖入者──グレーともパープルとも取れる髪をショートカットにしている20代前半ほどの美女を見ていると、開けてはならない扉を開きそうになる。

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