【ゼロの使い魔】編
035 悪戯(ドッキリ)
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
SIDE OTHER
双月がその空で存在感を遺憾無く発揮する、草木も寝始めるであろう時間帯。キリギリス──らしき虫の、メスを惹き付けんとする鳴き声が“赤龍帝の道化の外套(ブーステッド・ギア・クラウンコート)”を纏って、外套≠ノ備え付けられているフードを深々と被った才人の鼓膜を叩いていた。
「こんばんわ。雲1つ無い──双月がよく見える、良い夜だとは思わないか?」
「「………」」
才人の問いに、才人と向かい合っている2人は答えない。……才人と向かい合っている2人もまた、才人と同じようにローブとフードを被っていて、その正体を露にしていない。
「俺は都合上、水の精霊を守らないといけないから、君達を追い払わなければならない。……と云う事になっている」
「「………」」
才人と相対している2人は、才人の言葉に答えず、杖を構えて敵対の意思を示すばかり。……いざ、2人が才人に襲い掛かろうと云う時、才人はそのフードの奥の口を徐に──会話の先導性を奪う為に開く。
「待て待て、待つんだ。……タバサ≠ノキュルケ=v
「「……っ!?」」
2人は驚く。杖を握る力が強まる。……然もありなん。ローブで顔を隠しているのに名前を言い当てられたら、それは驚くだろう。才人も姿を隠しているが、才人の格好──深紅の外套も2人の不審感を募らせていく。
「……その反応からして、ビンゴだな」
「………私達の名前を知っている。……貴方は誰?」
「俺だよ。サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガだよ」
才人はそう言うと、フードを脱ぎその顔を露にする。
「嘘ッ!? サイト!? でも声が違う?」
……本来なら才人の声を聞いた時点でローブ姿の2人──タバサとキュルケは気付くはずだった。……それでは、何故タバサとキュルケの2人の気付かないのか? ……それはひとえに、キュルケが言った通りに才人が変声≠フ魔法で声を変えているからに過ぎない。
「さてさて、悪戯大成功。……ってか?」
才人は声を元の声に戻し、朗らかに笑う。ドッキリ。……それが才人の狙いで、見事才人に嵌められたタバサとキュルケは、ただ呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
SIDE 平賀 才人
「この湖の向こう側はガリアのオルレアン領で、そのオルレアン領にはタバサの実家が在るんだな?」
「………うん」
「合ってるけど、えらく説明口調ね」
俺の事実の擦り合わせにタバサは首肯し、キュルケは軽く呆れながらも認める。……取り敢えずタバサとキュルケに戦闘体勢を解いて貰った俺は、タバサとキュルケの2人を連れ立ってモン
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ