第九話 Cooreat
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うこそ、こちら側の世界、0の酒場Diracへ。 当店は、お客様を歓迎します」」
機械的に、けれど、人の声で放たれたその言葉に。
僕は、一度も使うことの無かった表情を使いながら。
ただ、全ての鎖から解き放たれたかのような開放感と共に。
「ああ、よろしく。 僕は、今日からこの店の常連になるよ」
そんな言葉を、返した。
アルス達と狩りをしながら、時間を見ては酒場へ行く日々。
そこで、僕は素晴らしい方法を教えてもらっていた。
紅色の髪の女性。 ザサーダという名の女性に、その手口を、授業を受けるように教えてもらっていた。
流石教師だけあって、人に知識を教えるのが非常に上手い。
お陰で僕は、たった四日で、その方法を実践で使えるレベルになった。
後は……これを使うだけ。
初めてだけあって、緊張はする。
だから、これを使う初めての瞬間は、よく考えないといけない。
そのためにも、善人を演じることは必須で。
表面上は演じ続けていこう。
ただ、心に嘘はつかない。
僕はもう、そう決めて、只管、その瞬間を待つことにした。
――――――
「ねぇアルス。 最近野良ばっか行ってるけど、楽しいの?」
閉店した後のギルド酒場でゴロゴロしていると、桜花がそんな言葉をかけてきた。
「ああ、そりゃな。 いや、聞いてくれよ、知り合ったスラムってやつとシャムってやつがすげぇいいやつでさー。
スラムは餓鬼っぽいんだけど、若いのは若いなりに面白さがあるよ、なんていうの? 斬新だよね、俺みたいなオッサンからすればさ」
「ふーん、へー、そーなんだ」
桜花はどうでもいいという顔をしながらそう口にすると、俺の前へと腰かけた。
「あのさ。 ウチのスキル上げ手伝ってほしいんだけど。 酒場の仕事ばっかで最近料理スキルばっか上がっちゃうんだよね。
ソードスキル上げたいのに上げれないの」
「いいことじゃねーか。 つかスキル上げって、またかよ。 お前どんだけの武器のスキル上げてんだ」
半ば飽きれながらあくびをして返すと、桜花はムスっとした顔をしながらメニューを開き、スキルを確認し始めた。
「えーと……直剣100、大剣200、斧100、細剣120、曲刀200、刀500、戦槌100、メイス100、槍50、昆100、短剣100、投擲110。
あとは特殊武器と派生系が……」
そこまで聞いて、ため息が出る。
「どんだけ雑食だよ。 多くても四つくらいに絞れ。 実戦で使える細剣と刀と槍とメイスでそれぞれ使い分けできるからいいだろ。
最悪刀とメイスだけでいいよ。 あとはいざって時に盾役になれるようにそっち方面もスキル振ればいい」
流石に多すぎる……。
だから殆どのスキルが中途半端なとこ
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