暁 〜小説投稿サイト〜
少年少女の戦極時代U
禁断の果実編
第115話 “ジュグロンデョ”
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鼓舞した。

(先に進む。そう誓った。そうだったよな、裕也――)






『うおぉ――――おおおおおお!!!!』

 鎧武が咆哮した。

 月花はとっさに鎧武から離れた。
 鎧武は火縄DJ大橙サーベルを持ち、レデュエに斬りつけた。

『バカな……!』

 斬られたレデュエは撤退した。月花は追わず、変身を解いて鎧武に再び駆け寄った。

「紘汰くん、だいじょうぶ!?」

 鎧武の変身が解ける。紘汰は汗だくで膝を突き、地面の石ころを握り潰さんばかりに掴んだ。
 途端、ヘルヘイムの植物の蔓が石庭に無尽に広がった。


 “オーバーロードになるしかないって……”


(紘汰くんが、オーバーロードに、なる。オーバーロードは、ヘルヘイムの植物をあやつれる)

 両者の視線が交わった。

 伝えたいことがたくさんある。知ってほしい想いがたくさんある。でも、言えない。言葉にならない。

「咲ちゃん……」

 紘汰が咲に手を伸ばそうとして、その手を握りしめて引いた。傷つけることを恐れている。その手はすでにヒトの手ではなく、オーバーロードの手だから。

 だから、咲のほうから手を伸ばして、紘汰の拳を両手で包んだ。
 紘汰は一瞬身を引いたが、咲を振り解くことはしなかった。
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