禁断の果実編
第113話 もしも、あの時
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咲と紘汰、それに凌馬の戦場は、屋外の開けた石庭に移っていた。
それぞれが鎧武、月花、デュークに変身し、3体1の圧倒的数の差で挑んだのに、あっというまに外に弾き出されてしまった。
デェムシュも強かったが、レデュエも同じくらい強い。性能だけならアーマードライダー最高のデュークを、一撃で弾き飛ばすほどだ。
『煙幕!』
『はいさ!』
無人の石の回廊だ。遠慮なくDFボムを10発ほど投げた。
爆煙がレデュエに降りかかる。その隙を突いて鎧武が大橙丸で斬りかかった。だがレデュエは攻撃前に気づき、手から出した気弾で、大橙丸を鎧武の手から弾き飛ばした。
『大方、蛇にそそのかされて手に入れた力だろう。おかしいとは思わないのか? 強すぎる自分自身のことを』
『何がだよ!』
鎧武はブドウ龍砲を呼び出し、撃つ。着弾する、というタイミングでレデュエはテレポートして躱してしまう。
『その様子では自覚もないか。では問いを変えよう。オマエは何故この世界の人間のために――戦っている!』
レデュエが現れ、上から鎧武に杖槍を振り下ろした。
月花はDFボムをレデュエに投げた。爆発の衝撃で杖槍の軌道がずれたことで、鎧武と月花はレデュエから距離を取った。
『当然だろ! みんな俺の仲間だ!』
『それは違うな。オマエはもうこの世界の住人ではない。我々の仲間だ』
切り結びながらも、両者の応酬は止まらない。
『何だと!?』
『すでに人間の食べ物が喉を通らなくなっているはずだ』
月花は、はっとした。
自分が食べる横で、一切料理に手をつけなかった紘汰。今までは光実や貴虎が呼びに来て、タイミングが悪かったからだと思った。だが、そこにもっと深い意味があったとしたら。
『禁断の果実の禁断たる所以だ。それが何を意味するか、今から見せてやろう』
レデュエが手をかざすや、周囲が眩い白に包まれた。月花はとっさに攻撃に備えて伏せた。
(…………。なにも、起きない?)
恐る恐る体を起こす。円形にくり抜かれた砂利の上で、立ったまま眠ったように立つ鎧武がいるだけだった。
『紘汰くんに何したのよ!』
起き上がり、DFロッドをレデュエに向けた。
『この先、こいつを待ち受けている世界に案内してやるだけさ』
『この先?』
『あとはジュグロンデョをもぎ取ってやれば、コイツは呆気なく墜落する』
レデュエが杖槍を向けて来た。
一瞬の静寂。
両者は同時に床を蹴り、互いの得物をぶつけ合った。
紘汰は緑林公園に立っていた。
見渡す限りヘルヘイムの植物はなく、インベスもいない。人々が遊び、語らい、笑い合っている。紘汰が求めてやまない平和な世
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