禁断の果実編
第113話 もしも、あの時
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界がそこにはあった。
仮初の光景とも知らず、紘汰が安堵しきった時に、その声は上がった。
「怪物だ!!」
それを皮切りに悲鳴が公園に満ちた。紘汰は周囲を見渡す。インベスがどこかにいるのかと思い、探した。
そして、目に留めた。インベスではなく、いるはずのない青年を。
「出て来たな。バケモノめ」
「裕、也」
死んだはずの裕也が何故ここに。そもそもバケモノとは何だ。問おうとして、紘汰は息を呑んだ。
裕也が紘汰に向けるまなざしが宿すのは、敵意と憎しみ、だった。
手を伸ばそうとして、紘汰はようやく気づいた。
手が。ビャッコインベスの長い鉤爪になっていた。
「何だよっ…何だよコレ!」
ヘルヘイムの蔓が紘汰を覆った。直後、紘汰はビャッコインベスへと変貌していた。
(何で。何で俺が。何で、何で、何で!)
「平和になったこの街を、お前らの好きにはさせない」
裕也が取り出したのは、紘汰と同じ戦極ドライバーと、オレンジの錠前。
「変身」
《 オレンジアームズ 花道・オン・ステージ 》
オレンジの鎧が現れ、裕也を装甲する。常ならば自分が変身するはずの、鎧武に。
「鎧武」は容赦なく、ビャッコインベスとなった紘汰に、大橙丸で斬りつける。紘汰がどんなに叫んでも「鎧武」の攻撃はやまない。
それどころか、助けを求めた手の鉤爪で「鎧武」を傷つけてしまった。
その事実に一気に恐れが噴き上がり、紘汰は背を向けてその場から逃げ出した。
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