第一部「数奇なる騎士」
第08話「猪の叫び」
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***
「ん?あれは…ビルトシュバイン…?」
ブリットが格納庫の慌しさに釣られて顔を出す。
その言葉通り、ハガネからビルトシュバインの搬入が行われていた。
「なんでまた…」
「なんでも、アダム中尉が頼み込んだらしい。」
タスクが横から声をかけた。
「アダム中尉が?でも中尉にはReaps(リープス)があるだろう?どうしてかな?」
ブリットが顎に手を当てる。
「やっぱり、ゲシュペンストじゃ物足りないってか?あの人、経歴の割には相当な腕だぜ?」
「いや、あれだけ手足に出来ていれば、このタイミングで乗機を変えるなんてことしないさ。ベテランであるなら尚更な。」
2人が議論を重ねる間に搬入が終わり、メカニックマンがチェックに入る。
「ん?サークルザンバー?もう左手には付いてるのに…」
タスクの言うとおりだった。
その目の先では、右腕にもう一基のサークルザンバーが取り付けられようとしていた。
「いや、間違ってはいない。元々速さと堅さ。言うなればヒュッケバインとシュッツバルトが同居してる機体だ。格闘戦に特化させるのも一つの手だ。」
ブリットはそういって頷く。
「そういうもんかね…。ま、俺もジガンに乗る手前、そういうのも嫌いじゃないけどな。」
タスクが笑った。
***
数日後の夜、ハガネ、ヒリュウ両艦で警報が鳴り響いた。
「何事だ!?」
ダイテツが言う。
「少数のAMの機影を確認!DCのものと思われます!」
エイタが告げた。
「機種確認急げ!各機動部隊、戦闘準備!」
テツヤが艦内に通達した。
「敵機影、映像でます!」
「こ、これは…!」
「ヴァルシオン…!!」
***
「シラヌイ!」
アダムがライトを呼び止めた。
「はい。」
「少し頼まれてくれるか?」
「なんでしょう?」
「私は少し野暮用で出撃が遅れる、その間、アマテラス小隊をまとめてはくれないか?」
アダムが言う。
「自分は構いませんが…野暮用とは…」
ライトは無表情のまま尋ねた。
「ビルトシュバインの件だ。」
「…、大体把握しました。了解です。」
ライトはそう言うと、ヘルメットを被ってグランバインに乗り込んだ。
「アマテラス3より各機、アダム中尉の命令でまた俺が指揮をとることになった、サポートを頼む。」
ライトが言った。
「アマテラス4了解。私達はヴァルシオンの迎撃を!」
ミ
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