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ゾンビの世界は意外に余裕だった
11話、到着。
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……。

「体制を立て直してから明日、第一兵舎に制圧部隊を出そう」

 武器もあるようだしもう一日くらいは無事だろう。こっちはまだ入り口を確保しただけに過ぎない。自衛隊の敷地は一キロメートルかける四百メートル。兵舎だけで四棟もあり、制圧するにも時間と兵力がいる。

「今日はここに大佐と部隊を残す。そして集められるだけの武器を集めて研究所に送り、研究所からはその分増員を連れてくる。また土建屋にいるグスタフ少佐、四等兵六号、S3二体、M-27部隊もこちらにまわす」

「了解です。ボス」

 戦車二輌がいれば楽勝だろう。車の撤去作業は三百メートルほどまて来ていたが、そこで打ち切らせた。可能な限り武器・弾薬を集めるよう指示する。

「ボス、弾薬庫を制圧しました」
「みんなに配れ。それから余った物は全部車に運び込め」

 今の時点で使用可能な武器は戦車一両、突撃銃百二十丁、拳銃三十丁、軽機関銃三丁。それに弾薬多数を手に入れたが、もう十六時を回っている。急いで居残り部隊を決めて一度帰ろう。

 大佐、慶太、レムルス、マイルズ、四等兵一、ニ、三号。S3九体を残す。彼らに機関銃一丁と戦車一両がある。引き揚げ組には機関銃ニ丁だ。

 ちょっとばかり俺の車列も居残りも頭数は貧弱になるが、武器の力でなんとかなると祈ろう。

 ……自衛軍基地から土建屋までの道のりはホームセンター前がやはり最大のイベントとなる。アンドロイド達が簡単にゾンビと交戦して道を切り開く。そして、辺りが夕焼けに染まるころ、俺達は土建屋に到着した。真っ先にグスタフ少佐達に武器を渡して駐屯地に送りだす。それから次々と工事車両を稼働させて、最後に火葬の準備していたご遺体に火をかけた。

「中嶋さん、ご家族を荼毘に付しますがよろしいでしょうか」
「はい」

 人間三人とアンドロイド多数で中嶋さんの家族三人の短い葬儀を終えると、辺りはもう薄暗くなっていた。

 辺りの街灯がつき始めている。もともと街灯の数は少なく、イタズラか意図的かわからないが壊れているものもあるため、研究所までの道筋にある点灯する街灯はせいぜい数本に過ぎない。

 とはいえやはり嬉しくない存在であることも確かだ。今思えば朝来た時に全部壊してしまえば良かったと思うが、夜に壊せば目立つのでやるとしたら明日以降だろう。

 今日のところは我慢して、俺は無灯火の遠征を研究所に出発させた。


「ここが研究所……素晴らしいわ」

 ホッとしたという柔らかい笑みを浮かべた未亡人が嬉しそうな声を上げて研究所の本館を見上げた。娘の方がきょとんとしていて冷静だ。

「さあ、まずはシャワーでも浴びて下さい。幸子が案内します」

 土建屋から二時間かけて研究所に帰ってきたが、道中何も問題はなかった。俺は留守番のレイアの報告も特に異常なしというものだ。

 俺も男性更衣
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