11話、到着。
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分の悪さを抑えてどうにか自衛隊の基地の第二ゲートに来ると、出入り口が大型トレーラーで塞がれている。
周囲にはかなりの数のご遺体が散乱しているが人の気配はない。 まずはご遺体の山を少し移動して道を作る。そしてトレーラーに接近した。脇の出入り口はきちんと閉まっている。
いや、それどころか鎖で縛ってあり、中で多数のゾンビがうごめいている姿を確認した。
『ゾンビ多数。危険開けるな』 という警告文があちこちに貼ってある。とはいえ、そんな張り紙なんか気にならない存在がそこにはあった。
「四号戦車か」
いきなりの戦車発見に俺のテンションは上がる。敷地に入ってすぐのところにネオ・ワイマール軍の旧型戦車二両が鎮座していたのである。
「ボス、ブサの空中偵察によると半径一キロメートル圏内の脅威はそれぞれ五百体からなる二群のゾンビだけです」
「近いのか」
近いなら作業の邪魔をされても困るから先に殲滅させねば……
「いえ、半径一キロの境界近くになります」
「今のところ背後は安全か。侵入するぞ」
と言っても俺は門の外で待機だ。侵入するのはレムルス、マイルズ、四等兵三体、S3五体で、主装備は鋼の棒だ。
彼らは早速入り口付近のゾンビ百体を殲滅した。すると戦車の後ろからゾンビがうじゃうじゃ沸いてきた。
戦闘アンドロイド達はその真価を発揮して、次々とゾンビを血祭りに上げていく。その数が三百を超えた時点で俺は見ているのが嫌になり後ろを向いた。
撃破したゾンビが八百を超えたという報告と、ゾンビの出現が目に見えて減り始めたという報告がたて続けにあり、俺は前を向いて自衛軍の敷地を観察する。
確かに俺が行っても大丈夫そうだ。まずはいつものようにご遺体の整理をさせる。とはいえ八百体ものご遺体をアンドロイド十体前後で扱えば、作業時間はかなりかかってしまう。道の確保と武器を持っているご遺体から不用品を譲っていただいくことを優先した。
既に五十丁近い突撃銃が手に入っている。弾を集めて作業班に居る戦闘アンドロイドにも持たせた。
それからようやく気になって仕方ない二両の四号戦車を確認する。片方の四号戦車は出入り自由になっていた。砲塔にはゾンビとなった一般人と兵士が三人居た。運転席も開いていたが誰もいなかった。
さて戦闘アンドロイド達にはゾンビを中から出して、戦車から離れたところでやっつけるように命じた。
もう片方は扉が開かないので叩いたり呼びかけたりして、無反応だったので放置する。
「ボス、第一兵舎の中で誰かがゾンビと交戦中のようです」
確かに第一兵舎から閃光が見えた。だが交戦というより救難信号に思える。
「何人確認できる?」
「ボス、自衛軍の施設はセンサーを妨害しています。建物内部の人数は不明です」
つまり俺達より数が多い可能性もあるのか
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