第四話 由比大尉!正雪の方じゃないからな!!その十四
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「それよりも御前等こそ汚いことばかりせんとさっさと親孝行せんかい!おどれ等のご両親は泣いてるわ!」
「うるせえ!親にも秘密だよ!」
「正義のヒーローってのは何時でも孤独なんだよ!」
「これでも人知れず戦ってるんだよ!」
「俺達の為ついでに日本の為にな!」
神聖な太鼓橋の上でも相変わらずの二人だった、そして。
決戦の場である境内の大社の前に来た、既に三つの的が用意されていて弓矢もある。観衆とマスコミも世界中から集まっている。
相手も既にいる、由比は二人を見て言った。
「よく来てくれた」
「ああ、来てやったぜ」
「亀にそっぽ向かれておっさんと喧嘩してな」
「ったくよ、何で俺達ってな」
「ここまで不人気なんだよ」
「やかましいわ!とっとといんでまえ!」
可愛い巫女さんまでが忌々しげに大阪弁で言って来る。
「おどれ等帰ったら塩撒いとくからな!」
「女子たるもの汚い言葉を使うものではない」
その巫女の少女を諌めたのは由比だった、弓矢を構えながら。
「折角言葉を覚えたのだ、それならな」
「すいません、綺麗な言葉をですね」
「使うことを心掛けることだ」
そうすべきだと諭すのだった。
「わかってくれるか」
「わかりました、それでは」
「清らかな言葉が清らかな心を導く」
こうも言う由比だった。
「そうしてもらいたい」
「では由比さん、これから」
「勝って来る」
こう言ってだ、そしてだった。
由比はあらためてだ、二人に言うのだった。
「では弓矢を取るのだ」
「ああ、そうしてだな」
「これからな」
「弓の勝負だ」
弓道のそれをしようというのだ。
「勝負は十本、その十本の矢をだ」
「どっちがだよな」
「的のど真ん中に当てればいいんだよな」
「そうだ」
まさにその通りだというのだ。
「十本のうち中心を多く射抜いた方が勝ちだ」
「弓道の勝負だな」
「それなんだな」
「如何にも。何なら私は矢も使わないが」
「気かよ」
「名人伝かよ」
「それでもいいが」
中島敦の名作の様にというのだ。
「如何か」
「それはいいさ」
「俺達もな」
ちゃんと弓矢の勝負でいいと返す二人だった。
「弓矢と弓矢でな」
「勝負しような」
「どうせ弓道なんだしな」
「こっちでいいぜ」
「そうか、わかった」
それならと答えた由比だった、そうして。
由比は二人にだ、こうも言った。
「私が最も点が高ければ私の勝ちだ」
「そして俺達のどっちかが一番点が高いとか」
「俺達の勝ちか」
「そうした勝負だ」
そうなるというのだ。
「無論君達の力を使ってもいい」
「おいおい、いいのかよ」
「俺達の力をかよ」
「そうだ、いい」
別に構わないというのだ。
「君達のジャス
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