第2章 闇艦娘、響
第01話
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てよぉ……まぁ、とにかく、めっちゃくちゃのぐっちゃぐちゃだったぜぇ。床はいろんな体液でびちゃびちゃのぬるぬるでよぉ、広すぎる性室内は淫気で充満しっ放しでよぉ、闇艦娘はトランス状態で半狂乱だしよぉ、かく言う俺も狂乱状態でなぁ。全員が全員、闇に呑まれっぱなしでよぉ。いやはや、マジでひどかったぜぇ、ありゃよぉ。正真正銘の地獄だったぜ」
響・黒は真顔のまま口角だけ上げて笑った。
乾いた笑みを浮かべている響・黒をそっちにけに、提督は話を続ける。
「いくら無限に性欲があるからってよぉ、さすがの俺も一週間後には干からびちまってなぁ。ほぼミイラになってたそうだ。んでな、培養ポッドの中に丸一日入れられてよぉ……お前も覚えてんだろ? 卵みてぇなアレだ。あの培養ポッドはよぉ、骨折しても1時間で治っちまう優れもんなんだぜ。なのによぉ、丸一日だぜ、丸一日! ったくよぉ、どんだけヤバかったかって話だぜぇ」
「……よく生きてたね」
「ああ、俺もそのへんが不思議でなぁ。俺ぁ別に不死身ってわけじゃねぇんだがなぁ。でもミイラになっても回復できるってのはよぉ、もはや虫だぜ虫! 水かけると復活する虫! ……チィッ、なんだか悲しくなってきたぞ、マジでよぉ」
提督は背後からプッという吹き出す声が聞こえた。
「てんめぇ、いま笑ったなぁ?」
「笑ってないよ、提督……プフッ」
「笑ってぇんじゃねぇかよ、この野郎……だったら質問だぁ。お前、いま俺のことを何提督だと思ってるよ?」
「虫提督」
提督の身体からぶわわぁと闇が噴き出す。
「いい度胸してんじゃねぇかよ、響・黒よぉ」
提督は素早い動きで振り返り、響・黒に掴みかかる。
しかしそこに響・黒はいない。
「こっちだよ、提督」
いつの間に移動したのだろうか、響・黒は提督の横に立っている。
「……ケッ、闇を使うのにすっかり慣れたようだなぁ。全く気配を感じなかったぜ」
「闇に身を包んで気配を遮断する。いつも陸奥・黒がやってるからね。私も覚えちゃったよ。慣れればそんなに難しくない」
「慣れるまでが難しいんだろうがよ。レベル2でそこまで闇が使えるとはたいしたもんだぁ」
提督は響・黒の頭をいい子いい子してやる。
「だが、甘めぇ」
響・黒はハッとする。
しかし遅かった。
響・黒は提督に頭をがっしりと掴み上げられ、ぶぉんという風切り音と共に響・黒は放り投げられた。
そして壁に激突してしまう。
「そういう隙が命取りになんだよ。いいか、絶対ぇに油断すんな。心のどっかで常に身構えてろ」
響・黒はげほげほとむせ込みながら、こくんと頷いた。
「わかったよ、虫提督」
「ああ!? 生意気だなぁ、んの野郎ぁ!」
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