第2章 闇艦娘、響
第01話
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「ここ、だよね?」
響・黒は“性室1”と書かれたプレートが貼られた部屋の前にいる。
扉をノックしようと手を上げると、中から叫ぶような淫声が飛び出してきた。
「ひぃああぅッ! す、凄いですわぁッ! 提督ぅッ! まだですの?! まだ射るのですの!? あああああッ! 熱いぃッ! 中が熱いですわぁッ! こんなに熱いのが、こんなにたくさんッ! ひああぁぁああぅッ! し、幸せですわぁッ!」
響・黒は小さく溜息をつき、改めて扉をノックする。
“ごぃンッ、コぅんっ”
金属とも有機物ともいえない奇妙な打音を鳴らす扉。
その奥からは、部屋の中で行われている性行為の最後の断末魔が響き渡る。
「い、イクッ! イきますわぁッ! 果てるぅ! 果てちゃいますわぁッ! 奥を突かれ過ぎてぇ! 膣肉を擦られ過ぎてぇ! もう限界ですわぁッ! イッ、イきますわあああぁぁぁあああぁぁぅッッッ!!!」
ひと際大きく鳴り響いた淫声。
そしてこの後、無音ともいえるほどの静寂が周囲を包み込んだ。
「おう、誰だぁ?」
無音の部屋から提督の声が聞こえた。
「響・黒だよ、提督」
響・黒の返事を聞いた提督は、あからさまに不機嫌な声を返してきた。
「んぁ? おいおい、なんでお前がここにくんだよ? 提督室で待ってるように言えって、陸奥・黒に言っといたんだけどよぉ? あいつ、ちゃんと伝えなかったんかぁ?」
「そうじゃないよ。提督室で待っているようにって、陸奥・黒はちゃんと伝えてくれたよ。だから提督室で待ってたんだけど、提督、全然来ないんだもん。なのでお迎えにあがった次第だよ」
扉の奥からチィッと舌打ちが聞こえる。
「せっかちな奴だなぁ、お前。待てって言われたんならよぉ、何時間でも、何日でも、何週間でも、何ヵ月でも、何年でも待ってろや」
「今度からそうするよ」
「ったくよぉ……んあ? ちっと待てや? もしかしてよぉ、ここに俺がいるって陸奥・黒が言ったのか?」
「そうだよ。陸奥・黒がこの場所を教えてくれたよ」
「ったく、あいつはよぉ。こんなとこに来させやがって。まだ響・黒には早ぇっつぅの」
ぎぃぃぃと耳障りな音をたてながら、扉が少しだけ開いた。
そして提督がのそりとした動きで顔を出す。
提督はひどくだるそうで、はぁ、はぁ、と息がきれている。
「んじゃあ行くとすっかぁ。響・黒よぉ」
提督が扉から出ようとすると、提督は何かにつっかかったように身を揺らした。
おっとと、と言いながら提督は足の方に顔を向ける。
そこには地を這いながら提督の足首を掴んでいる、全裸の艦娘がいた。
「まだ……ですわよ……これで終わりだなんて……言わせませんわよ……」
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