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藤村士郎が征く
第1話 別の世でも血生臭さからは離れられず裏の仕事に今日も勤しむ
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うけど、生憎と俺はそのように思えたことは一度たりとも有りませんので」

 ヒュームの言に、淡々と答える士郎。

 「相変わらずの非戦闘欲主義者(パシフィスタ)か・・。フン、まぁいい。本題はこれからだ」
 「はい?」
 「紋様の事は忘れてはおらんだろうな?」

 ヒュームの言う紋様と言うのは、九鬼帝と九鬼局の間にでは無く、妾との間に生まれた子。九鬼紋白その人である。
 まだ子供なのだが、以前ちょっとした機会で士郎は面識があるのだ。

 「それはもちろん」
 「ならいい。それでな、近々九鬼の方であるプロジェクトの関係者という事で紋様が飛び級と言う形で川神学園に編入することとなった」

 そこまで聞いた士郎は嫌な予感がした。

 「そこでだな、紋様の編入日に合わせて貴様も川神学園に編入しろ。いや、もう編入の手続きは出来ているから、後は―――」
 「ちょ、ちょっと待って下さい!?編入って、今更高校に?冗談が過ぎますよ」
 「冗談などでは無い。それとな・・・」
 「――そ、それと・・?」
 「雷画からはすでに許可は取っている」

 あまりにも予想外な事実に士郎は固まった。まさか、祖父から裏切られようとは夢にも思わなかったからだ。


 「な、なんでさぁああああああ!!?」

 士郎の絶叫が旅客機内で響き渡った。
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