第1話 別の世でも血生臭さからは離れられず裏の仕事に今日も勤しむ
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た長身の男は、件の死徒の左腕を切り裂いた張本人であり、藤村組No.3の石蕗和成だった。
「和成さんもお疲れ様です。これで依頼は終了ですね」
「はい、後処理は此処の一体の管理人の仕事なので我らは帰国いたしましょう」
「判りました。という事はヒュームさんが送ってくれるんですか?」
「フン!視界に居れて無いにも拘らずこの俺を察知するとは、相変わらず制空圏の広い男だ」
青年は誰もいない明後日の方向に話しかけると、突如獅子を思わせるような金髪の老執事が現れた。
「流石に気づきますよ。寧ろ、試されてるのかと思いましたが?」
「ククク、流石にばれたか。あと先の質問はYesだ。俺がお前に依頼したのだから当然だろう」
言い終わるとともに上を見上げるろヒューム・ヘルシング。
それに続くように青年と石蕗も見あげるとそこには、サイレンサーで音が極力消されている特別な飛行機が空中で停滞していた。
「取りあえず続きは中で話すぞ」
ヒュームの提案を短い返事で了承する二人。
ヒュームの提案の中で話すと言うから飛行機が下りて来るのを待つかと思いきや、3人はそこから一気に跳躍して一か所だけ入口を空けていた空中で待機したままの飛行機に乗り込んでいった。
−Interlude−
現在士郎達は、最短最速で日本に向かっているヒュームが手配した九鬼専用の特別な旅客機内に居た。
「それにしても今回の依頼、俺に頼む必要があったんですか?ヒュームさん自身吸血鬼殲滅の一族だって窺った事が有るんですが・・」
「必要はないが理由なら十分にあるぞ。お前の腕の程が久しぶりに見たくなったんだ、それでは足らんか?」
皮肉か含みがある言葉か或いは両方か、それらをも思わせる様にクククと凶悪な笑みを浮かべる殺戮執事。
「足りるかは判別できませんが、俺の腕なんかを見たいがために依頼してくるとはヒュームさんも物好きですね」
「言ってろ。それより貴様、相変わらずだなその過剰な謙遜ぶりわ。過ぎれば嫌味だと忠告しておいたはずだがな。貴様もそうは思わんか?《駿足の太刀》」
《駿足の太刀》とは、石蕗の異名だ。そんな名でヒュームに呼ばれた彼は、士郎の座席の後ろ側で執事然として控えているようにしていて、只簡潔に返答する。
「若自身の事です。私に異論などあるはずも、ありませんよ」
「フン、主従揃ってつまらん奴らだ。そんな調子で学生時代は《天下五弓》の一席も《武道四天王》の座も蹴ったのか?」
「酷い言い様ですが、必要ありますか?今の時代は異名などは抑止になるどころか強い興味心を掻き立てる材料にしかなりません。ヒュームさんの様な人種なら願っても無いんでしょ
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