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仮面ライダー龍騎【13 people of another】
Part One.
First chapter.
第8話
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バイんだよ、家事は全部読川がやってくれてたし……俺は家事なんてとてもじゃねぇけどできないし……」
「つまり、ナナがいないと油島さんは……」
「死ぬ自信はあるな」

油島は何故か自信に満ち満ちた顔をしていた。



──────────



「…………っくそ」

ナナは芳樹と亮平に貸して貰った合鍵を使って家の外へ出ていた。

「仮面ライダーインペラー、か……めんどくさい」

ナナはとあるビルの屋上で街を見下ろしていた。
びゅうびゅうと吹く風を身体で感じながら、先程の戦いを思い出す。

ナナはインペラーの【Final Vent】で深手を負った。
単純に油断していた。
多数のレイヨウ型モンスターが一斉に攻撃した後、最後をインペラーが左足で飛び膝蹴りを決めて止めを刺す【ドライブディバイダー 5000AP】をまともに受けてしまったのだ。

このまま帰るといろいろとヤバイと判断したナナはミラーワールドからこの屋上へやって来たのだ。

「へぇ、あんたが仮面ライダー王蛇なんだな」

後ろから声が聞こえ、ナナは振り返る。
そこにはニヤニヤと笑う男が立っていた。

「誰だ、お前」

男はナナが座っている隣に座る。

「仮面ライダーインペラー、よろしく!」
「インペラー?」
「さっき戦っただろ?覚えてないのか?」
「いや、覚えてはいるけど」
「俺は植原(うえはら)数馬(かずま)。それにしても、高校生?だろ、お前」

ナナは植原数馬と名乗るこの男といて無性にイライラして来た。

「こんな所に何の用?早く帰れよ」
「釣れないなぁ……俺はお前の味方だってのに」
「味方?」
「そう、味方!目的は一緒だろ?ライダーを倒して願いを叶える……お前もそのつもりなんだろ?」

………味方?何を言っているんだ、この男は……このライダーの世界に味方なんているわけがないだろ。
味方なんていない。結局はみんな敵、あの人達もみんなみんな敵なんだ、だからそれまでずっとライダーを殺し続けた。
そうだ、味方だと思わせておけばいい。そうすれば、自分の手を汚さずにあの人達を殺せるかもしれない。

ナナは一瞬でそう判断した。
彼は良くも悪くも、優しい……それなのに人一倍戦いを求めている。
今、ナナは堂々と王蛇に変身することができない、だからそれまでこの男に……。ナナはそう思っていた。
だが、一番のところは自分で戦いたい。そして、いち早く浅倉威を生き返らせたい。最近では特にそう思うようになった。理由は、亮平や芳樹、油島と日ノ岡のせいだ。ナナはこの感情を浅倉威以外に向けた事はなかった、だからこそナナは戸惑い、焦り始めたのだ。

自分が自分でなくなってしまうような気がしたから……。

「………植原だ
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