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無欠の刃
下忍編
大切な物
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し、更にぐるぐるに掻き混ぜられる。

 ナルトが、悲しむ、ナルトが苦しむ、ナルトが傷つく。
 ナルトをまもらなきゃ、ナルトをたすけなきゃ、ナルトの為になんでもしなきゃ、ナルトの為なら何でもできなきゃ。ナルト、ナルトしか、好いちゃいけない、助けちゃいけない。
 私はサスケを好いていない、私はサスケを好きじゃない。
 そうだそうだそうだそうだそうだ、それでいい、それが間違っていない。それこそが正しい。
 何を間違えているひまがあった、間違えるな間違えるな間違えるな間違えるな、私が生きてもいいなんて一度も許されたことが無い。私が生きても誰も喜ばない。
 私が生きても喜ばれるのは、ナルトが喜ぶから。ナルトが寂しがらないから。ナルトが嬉しくなるから。ナルトが一人にならなくてすむから。ナルトが泣かなくて済むから。それだけ。それだけでしかない。



 ナルトだけが、私が生きていい理由。



 ―なら、私の体も、サスケの体も、どうでもいいや。ナルトを傷つける可能性がある奴だけ、殺せればいいや。それで。

 思考が異常をきたし、エラーをおこす。
 ゆらりと、カトナが立ち上がり、きょとりと白を見て不思議そうに首をかしげた。
 何をしていたのか分からないというような程、不思議そうな目で、カトナは相手を見て小さくつぶやく。
 赤いチャクラが漏れだして、カトナの体から、金色の毛並みがそろいだす。

 「敵なんだから、殺さなきゃ」

 その瞬間、刀が淡い光を放ち、カトナの手に吸い込まれ、その姿を変えた。
 大太刀から、薙刀に、姿を変える。
 腰からぼふっと、九つの尾が生える。耳が獣のものに変容し、変貌し、カトナの歯が獣のように鋭くとがりだし、爪が異様に伸び、瞳孔が縦にさける。

 「なっ、それは!?」

 白の驚く声を背景に、カトナはにゅるりと、自分の腰から生えた赤い九つの尾を振り、金色の獣の耳をリズム良く揺らし、薙刀を振りかぶった。
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