原作一巻 第0章 プロローグ
プロローグ3。ヤシロ
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部で軽く汗を流そうと思い走ったが驚いた。
普通の状態でも、通常時の俺でもそこそこ速く走れたからな。
六時半頃。
校門付近で一文字疾風が憧れていた先輩に会ってしまった。
「モンジくーん!」
背中側から爽やかで甘い声が聞こえた。
先輩にまでそのアダ名で呼ばれてんのかよ!と本来の自分(一文字疾風)にツッコミつつ、振り返ってその先輩を見た。
パッチリとした瞳、小さな鼻と口、ふわふわの柔らかそうな髪の毛、制服の上からでもわかる豊かな胸、頭の上にはオシャレな帽子をかぶるヒス的に大変危険なこれまた美少女。
彼女は生徒会長を務める、七里詩穂先輩だ。
俺の幼馴染だった武偵高の生徒会長で、武装巫女だった白雪とは違い、正真正銘の普通の生徒会長だ……多分。
彼女と何故か一緒に帰る事になったが、その彼女との会話の中で過去の話題を聞いて、彼女から聞く昔の俺、一文字疾風は本当アホな奴だと思ってしまった。
先輩と校門を出ると……。
先輩が何かに気づいた。
視線の先には……。
「あれ?」
そこには……ビスクドールの、人の膝丈くらいの大きさをした人形が寂しそうに柱にもたれかかるように佇んでいた。
薄い金色の髪、真紅の目、ボロボロのドレス。
元々は綺麗であった人形が、まるで世界を恨むかのように薄汚れていて、いかにも怖い気配を漂わせている。
「こんな所に……?」
俺は朝の会話で話題となった、『捨てられた人形』が追いかけてくるという話を思い出す。
________その時だった。
「お兄さん」
突然女の子の声に呼び止められた俺は、振り向いた瞬間心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うほど驚いた。
俺の真後ろ、1mも離れていない場所にピッタリと、小さな女の子が立っていたからだ。
その子は真っ白いワンピースに身を包んでいて、真っ白なつばの広い帽子を目深にかぶっている。顔は帽子に隠れて見えないが、唯一見える口元には柔らかな笑みを浮かべていた。
その笑みがまた、何か深い意味がありそうでなんとなくゾッとしてしまう。
背丈からして小学生高学年に入るくらいだ。
あまりの驚愕と恐怖で頭の中が真っ白になった。
どこからか甘い……花の香りのようなものも感じた。
意識もぼんやりしてきた。
「これ。お兄さんの」
両手に一つずつ、握りしめた何かを差し出す少女。
その何かはよく見ると漆黒の携帯電話だった。
黒い不思議な光沢を持った、中々デザインのかっこいい携帯電話。
艶やかなその表面を見ていると、どこか吸い寄せられるような気分になる。
「俺の……ではないな」
休み時間に確認したが、一文字疾風が使う携帯電話は制服の内ポケットにちゃんと入っている。
そう告
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