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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth13邂逅・新たなる堕天使〜Unvollendet Egr?goroI〜
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誰なんだ?」って独り言のつもりで呟いた。

「あんた達の頭オーディンの事を、イリュリアは魔神って呼んでんの。魔神の如き強さを持っているとか何とか。つか今はそんなの関係ないだろ」

聞かれていた事には驚いたけど、イリュリアにそこまで恐れられているマイスターは本当に凄いと思えた。ゼフォンはガシガシ頭を掻いて、「おい、ズィーベン。大人しく罰を受けな」ってさっきからあたした達が背後に庇うズィーベンを睨みつけた。

「そうはいかんな。我らの信念の下、一度守り助けたいと決めた以上は見捨てはせん」

「本当に面倒だな、騎士っていうのは。そんなに死にたいのかよ、敵だったズィーベンを守ってさ」

ゼフォンの足元に、また見知らないココア色に輝く魔法陣が展開される。そして、「さっきのおっさんみたいになっても文句言わないでくれな」って片足をスッと上げて、地面を踏みつけるように思いっきり落とした。

――地龍刃砕断(ボーデン・ドラッヘ)――

地面が隆起する事で出来た岩石の、まるで龍の背ビレのような波があたし達に向かって突き出してきた。あたしを内に宿してるシグナムは数mくらい宙に居るんだけど、岩石の波はあたし達を貫けるまでの高さを誇ってる。
直線的な軌道だから、シグナムは横移動で回避。というよりは避けるしかない。何せ、「くっ・・・!」突き出し終えた岩の波の側面から、岩の棘がシグナムを貫こうと突き出してきたから。“レヴァンティン”をギリギリで盾にして直撃は免れたけど、その衝撃でシグナムは突き飛ばされた。

(レヴァンティンでも切断できない程に硬度のある岩による攻撃・・・。マイスターの魔導のように、ゼフォンのもやっぱり異世界の魔導なんだ・・・)

「やはり斬れんな。普通の岩なら容易く斬れるはずなんだが・・・付加されている魔力が尋常ではない・・・!」

“レヴァンティン”の柄を力強く握り直したシグナム。シグナムとあたしの炎熱を付加した“レヴァンティン”を当てる事が出来れば、きっと勝てるはず。でも接近できない。ゼフォンを護る岩壁やシグナムを攻撃してくる岩山が、あたし達の行く手を妨害してくる。
こっちは防御と回避に専念しないといけなくて、ゼフォンは好き勝手攻撃してくる。戦う以前の話だ。何か良い手が無いか考えていると、『アギトお姉ちゃん、もういいよ』ってズィーベンが思念通話を送ってきた。

「俺っちには攻撃を通せないってもう判ったろっ! 諦めてズィーベンを差し出して、とっとと退いてくれってばさ!」

――砂塵岩龍旋(ヴィントホーゼ・ブレッヒェン)

ゼフォンを覆い隠す様に岩や砂を巻き上げた大きな竜巻が生まれた。シグナムは「離れるぞ、ズィーベン!」って言って、巻き込まれないようにすぐに側から離れたけど、その竜巻から岩塊が砲弾のように高速
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