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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth13邂逅・新たなる堕天使〜Unvollendet Egr?goroI〜
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ら無茶も無理もしないでくれ・・・アギト、シグナム)

必死に祈る。すぐにでもアギト達と合流し、複製品(ゼフォン)を破壊しなければ気が済まない。だが、ザフィーラにはまだ治療が必要だから動けない。このジレンマが私の頭の中をかき乱す。そしてジレンマは怒りへと姿を変えて、この状況を仕組んだであろうガーデンベルグ達に向か・・・わない。
全ての怒りは私に向く。あの日、あの時、私がもっと“戦天使ヴァルキリー”のシステムプロテクトを強化しておけば、敵国ヨツンヘイムのウイルスに感染せずに済んだ。私たち“アンスール”や他の“ヴァルキリー”たち親や仲間を殺さず、“エグリゴリ”と化してああして狂い続けたまま存在しなかったんだ、ガーデンベルグ達は。ザフィーラの腹のダメージを完治させた事で空いた右手を握り、自分の顔を殴る。

「自分自身を殺したくなる日も、また無くならないな・・・」

自虐的な笑みがこぼれてしまう。そこに、「オーディンさん!」シャマルの声が上から聞こえ、「っ・・・!」上を見てすぐに視線を戻した。まずった。思いっきりシャマルのスカートの中を見てしまった。って、馬鹿か。今はそんなふざけた事を思っている余裕も考えている暇も無いだろうが。とりあえず「すまない、シャマル」と謝る。何故謝られたか判らないシャマルは小首を傾げた。

「・・・あ、そうですっ、ザフィーラの治療は私が引き受けます!」

「そうは言うが疲労困憊と言った顔じゃないか、シャマル!」

魔力を消費し過ぎて顔色が病人のように悪くなっていて、汗で髪が額や頬に張り付いている。息使いも少し荒い。だからこそ「馬鹿を言うな。君は休め」と言い放つ。しかしシャマルは「事情はシュリエルから聞いてます」と私の向かいに跪き、ザフィーラの胸に手を翳して治癒術式を発動した。

「オーディンさんの目的であるエグリゴリが今、この戦場に居るらしいじゃないですか。しかもザフィーラをこんなにするほどに強くて、今はシグナムとアギトちゃんと戦っている、と」

「もういいから魔導の発動をやめろ。倒れるぞ!?」

「大丈夫ですっ。湖の騎士シャマルは、こう見えても強いんですっ!」

「ああもう君は本当に頑固だなっ」

「オーディンさんこそですっ。お願いですから、シグナムとアギトちゃんの元へ行ってくださいっ!」

会話はそこで途切れる。ザフィーラの胸の傷も、シャマルの全力治療で何とかなるレベルにまでほとんど治した。ここで離れてもいいが、そうなればシャマル1人で限界以上の魔力を使わせることになりかねない。
だから迷いが生じてしまう。ゼフォンはイリュリアがガーデンベルグ達オリジナルに利用されて開発された“エグリゴリ”の複製品(レプリカ)だ。救いではなく完全な破壊対象。しかしだからと言って・・・・。

「オー
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