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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth13邂逅・新たなる堕天使〜Unvollendet Egr?goroI〜
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議会場がざわめき、化け物を見るような目が私に向けられる。慣れてはいるとは言え、やはりあまり心地良いものじゃないな。そんなざわめきを「静まれ」というたった一言で静まらせるデトレフ陛下。

「魔導師オーディン。ひとつ訊こう。汝とその騎士団に、ミナレットを陥落できる術はあるか?」

「判りません。ただ確約は出来ませんが、我らグラオベン・オルデンは、如何なる兵器が在ろうと破壊し尽くし押し通るまでです。それが守るためであり救うためならば必ず実行します」

デトレフ陛下から視線を逸らさない。先に視線を逸らした・・というより伏せたのはデトレフ陛下で、「若造め、我を相手に一歩も引かんとは胆が据わっておる」と満足そうに笑った。そんなデトレフ陛下の機嫌の良さを見た事が無いのか、クラウスを始めとした者たちは呆然としている。
年齢で言えばすでに2万年近い私だ。どんな人間が目の前に現れようとも気力で負ける事は絶対に無い・・・と思う。いや、アンナが居た。彼女は別格で恐ろしい。むぅ、やはり女性にはとことん弱いようだ。とは言っても直しようも無いし。女運に関しては諦める他ない、というのが現状だ。

「ベルカの戦に異界の者である汝を巻き込むというのも少々気が引けるが、今はそうは言っておられんのも事実。ミナレット攻略に、汝の力を借りたい。良いか?」

「もちろんです。シュトゥラは、私にとっても――」

『オーディン!!』

ヴィータから切羽詰まった思念通話がいきなり届いた。いきなり言葉を切った私を訝しんでいる目が集まるが、今はヴィータの様子のおかしさの方が重要だ。すぐに『(なんだ? 泣いている・・・!?)どうした、ヴィータ・・・!?』と問い返す。嫌な予感しかない。ヴィータはただ『ザフィーラが!』を繰り返すだけで要領を得ない。
落ち着くよう言っているところに、『シュリエルです。ザフィーラが瀕死の怪我を負いました』とシュリエルから状況が告げられた。信じられなかった。ザフィーラは、守護騎士一の防御力を誇る騎士だ。そのザフィーラに瀕死の傷を負わせるような奴が居るのか・・・!?

『私が今オーディンの魔導を使って治療していますが、私一人では手が足りません。今この場でザフィーラを失えば、次に再生出来るのは闇の書完成後となります』

守護騎士はたとえ死んだとしても、“夜天の書”が健在ならばまた再生できる。しかし、それが行えるのは完成後。完成させたくない私としては避けたいものだ。だから『すぐに向かう。ザフィーラを倒した騎士は今どうしている?』と尋ねながら、

「デトレフ陛下、クラウス殿下、以下執政官の皆様方。現在、アムルに侵攻して来ているイリュリア騎士団と交戦中の家族から連絡がありました。私の家族の1人が重傷を負い、瀕死の状態です。申し訳ありませんが、私はここで退室
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