第二十一話 菖蒲の友人その九
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「頭がよくて穏やかで真面目な性格でな」
「そうなのよね、先輩ってね」
そうだとだ、向日葵も薊に応えて言う。
「知的な紳士でね」
「だよな、あたし達にも公平でな」
「頼りになるわね」
「相当にな」
そうだというのだ。
「戦闘力があるとかじゃなくて」
「人間としてね」
「ああ、頼りになるよ」
「多分だけれど」
ここでこうも言う向日葵だった。
「先輩もててるわよ」
「女の子にか」
「ああいう人はもてるから」
「顔もいいしな」
「知的な紳士って感じでね」
外見もそうである智和だった。
「学者さんみたいで」
「そうそう、そんな感じでな」
「だからね」
「もてるか、先輩って」
「絶対にもてるわよ」
向日葵は明るい顔で薊に断言した。
「というかもてない筈がね」
「ない人か」
「性格よし、顔よし、頭よし、お金持ちときたらね」
「確かにもてる要素が揃ってるよな」
「しかも何気に制服の着こなしもいいから」
ファッションセンスもあるというのだ。
「もてない筈がないわよ」
「確かにな。言われてみればな」
薊もここで納得したのだった。
「先輩ってもてるな」
「そうでしょ」
「性格がまず第一ですね」
桜はにこりとして述べた。
「異性に好かれるには」
「顔でなくか」
「はい、幾らお顔がよくとも」
それでもだというのだ。
「お心が悪いと」
「それはあたしもわかるよ」
「はい、そうですね」
「性格悪い奴ってな」
それこそ、というのだ。
「一緒にいたくないからな」
「底意地の悪い方や極端に我儘な方は」
「その二つよくセットになるよな」
人間の不思議だ、何故か性格の悪い輩はその悪い部分が重なる。そうして徹底的に嫌われていくのである。
「横須賀にもいたよ、そういう奴」
「何処にもおられますね、そうした方は」
「あんまり性格悪いんでさ」
それで、というのだ。薊も。
「付き合わなかったよ」
「そうした方とは一緒にならない方がいいですね」
「ああ、全くだよ」
「私もそう思うわ」
菫も言う。
「そうした人とはね」
「ダチとかになるべきじゃねえな」
「絶対にな」
それは、というのだった。
「裏切ったり何をするかな」
「わからないからね」
「そういう奴って平気で嘘言ったりな」
「図々しかったりするから」
「本当に一緒にいるとな」
「大変なことになるから」
だからだというのだ、実際にそうした極端に性格に問題のある輩はいて周りを非常に不快にさせてくれる。そうした輩への対策はというと。
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