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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth12遥かに古き刻に在りし騎士の末裔〜Sir WorcsteD〜
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る間、周囲に居るイリュリア騎士が次々と離れていく。奇襲の心配をせずに済むのは助かるが、その分これより来るイリュリア騎士の実力の程が判る。
巻き込まれるのを恐れているのだろう。離れていく者たちの顔色は青褪めている。そして、ようやく姿を視認できるほどまでにその者が接近してきた。性別は男。歳は、おそらく青年と呼べるほどに若いだろう。

「イリュリアの新手か・・・?」

「・・・・なあ、アンタ、これくらいの小さいチビ、見てないかい?」

その者は、両手の平を上下に向かい合わせ、我にそう尋ねた。アギトほどのものだろう。この者の狙いは、裏切りの融合騎アギトか・・?
その問いに対して我は「知らぬな」と簡潔に答える。するとその者は「そうかい。邪魔したな」と背を向けようとした。我を討つつもりはない、ということか? しかし正確な目的が判らぬが、アギトにとって危険であると思える以上は放ってはおけまい。

「待て。我はグラオベン・オルデンが盾の守護獣ザフィーラ。このままお前を行かせるわけにはいかん」

――鋼の軛――

名乗りを上げ、その者の行く手に拘束条――鋼の軛を突き出させ、行く手を封じる。その者はゆっくりと我へと向き直り「邪魔しないでくれよ、おっさん」とやる気の見えぬ双眸を向けてきた。

「そうはいかん。お前がイリュリアの者であると判断した以上、討つべき敵だ」

「そうかよ。そんなに死にたいなら付き合ってやるよ」

構えらしい構えを見せず、棒立ちするその者に「名は?」と尋ねる。

「名前? 騎士の決闘の前には名乗りが要るんだったか。面倒だな。ま、いいや。俺っちの名は、ゼフォン。エグリゴリ・シリアルヌンマー・ツヴァイ、ゼフォン・エグリゴリ」

「エグリゴリ・・・?」

“エグリゴリ”。我が主オーディンがこの世界に訪れたその理由の中に出てきた名称だ。この者が、我が主が身命を賭してでも、破壊という形での救いを与えたいという“エグリゴリ”なのか・・・?

「お前、オーディ――」

「無駄口叩いてる暇あったら、避けな!!」

――岩衝鉄破(フェルゼン・ベルク)――

我の足元より岩石の剣が4基と突き出してきた。危うく串刺しになるところだったが、紙一重で後退する事で回避でき・・・

「うぐ・・・っ!?」

腹に強烈な痛みと熱。視線を下へ向け、我が身に起こっている異常を視界に収めた。我の腹より突き出ている岩石の剣。「呆気ないもんだな」と背後よりゼフォンという男の声。
知覚できぬ速度で背後に回り込まれ、背後から我が体を岩石の剣で貫いたのか・・・?
我がただの人間ならばこの一撃で命を落としていただろうが、生憎我は人ではない。我は「ぬ・・・ぅぐ・・・!」腹より突き出る岩剣を鷲掴み、破壊もしくは抜こうとするが、


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