暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth12遥かに古き刻に在りし騎士の末裔〜Sir WorcsteD〜
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リュリアの時みたくメチャクチャにしてあげ――」

「煉拳!」

「あぐっ!?」

火炎を纏わせた拳打をズィーベンの横っ面に叩きこんだアギト。ズィーベンは何が起きたのかさえも判らないと言った風な顔で、直撃を受けて吹っ飛んだ。宙で体勢を立て直したズィーベンは殴られた右頬に手を添え、フルフル震えだし、涙目になって行き、終いには嗚咽も漏らし始めた。

「今はもう六番騎(ゼクス)じゃないけど、でも、だけど、お前の姉として、七番騎(おまえ)をもう放っておけない。融合騎は、ロードと一緒に戦うものなんだ。それを忘れて操って、最後には役立たずなんて言うお前は、融合騎じゃない」

姉のアギトが人差し指を突きつけ、妹ズィーベンを糾弾する。

「・・・のくせ・・・」

「なに?」

「うらぎ・・・に・・・」

ズィーベンは俯き、両拳をグッと握り締め、何かを呟いている。そして背に在る一対の翼から冷気が溢れだす。まずい。そう思い、すぐさまアギトの元へ急ぐ。

「わたしを見捨てて裏切り者になったくせに!!」

――氷牙――

我々の頭上に巨大な氷塊が創り出される。顔を上げたズィーベンは「フヒ、ヒヒ、融合騎の在り方とか、もうどうでもいいよね?」涙を流し、泣き笑いの表情を浮かべる。だがすぐにハッとし、涙を拭い去った後で氷塊を破棄、破砕した。

「ズィーベン・・・?」

「・・・わたしも、もう裏切り者みたいだしね・・・」

「なに? 聞こえないよ、ズィーベン!」

「・・・・わたしたち融合騎を造った奴らは、親のようなものだって解るよ・・・。だから言われた事は聴いてきた。でもね、だからって、わたしだって生きてるんだ。アギトお姉ちゃん。解るよね? アギトお姉ちゃんが一番酷い目に遭っていたんだもんね?」

「そうだけど・・・でも・・・」

「ムリばっかり言われた三番騎(ドライ)お姉ちゃんは壊れて廃棄された。一番優しくて、温かくて、わたしやアギトお姉ちゃんにも優しかったのに」

「・・・・うん・・・」

「だから許さない。イリュリアの人間は全員敵。でもわたしが生きるにはイリュリアが必要なのね。だから利用する。ゲルトはその1人。今はイリュリアの言う事を聴いて、いつかは・・・って思っていたんだけどね・・・」

ズィーベンの表情に陰りが生まれる。そして「わたしね、廃棄されるんだって」と自嘲気味に告げた。ズィーベンは続ける。ゲルト・ヴォルクステッドの件で危険思考の持ち主と判断され、たった今廃棄処分されると思念通話が来たのだそうだ。「ど、どうするんだよズィーベン!」と焦りを見せるアギトだが、対するズィーベンはただ「ここまでみたいだね」と嘆息するのみ。

「あ、諦めるのか・・・!?」

「だって・・・わたしを潰しに来
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