暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と伊予のカワウソ
第八幕その十
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「そんなことしないよ」
「相当餓えていてもね」
「牛や羊の方を食べるよ」
 そうするというのです。
「狼さん達はね」
「そうだよね」
「あの野獣は人と動物がいても人を襲っています」
 牛や馬、羊よりもとです。加藤さんは今度はこのことを指摘しました。
「狼にしましては」
「おかしいですね」
「しかも群れていません」
「狼は集団で行動します」
 群れを為して、です。
「それが狼ですが」
「しかし野獣はつがいという説もありますが」
「はい、群れではありませんでした」
「それもおかしいですね」
「極めて」
 狼というには、です。
「有り得ないですね」
「狼である可能性は低い、いえ殆どないかと」
 先生もこう言いました。
「野獣は」
「では何か、ですね」
「色々言われているのですが」
 先生も野獣について述べます。
「訓練されたハイエナや犬と狼の雑種」
「そして陰謀説ですね」
「何者かの」
「その何者かが訓練された獣を使っていたと」
「そうも言われていますが」
 しかし、というのでした。
「結局今もわかっていません」
「その正体は」
「はい、結局のところは」
 今も尚、です。
「わかっていません」
「謎だらけですね」
「全く以て」
「やはり狼男だったのでは」
 またこの説を出す加藤さんでした。
「この妖怪でしたらある程度説明がつきます」
「人を集中的に襲っていて単独行動と」
「狼でないことはほぼ確実ですから」
「そうですね、狼憑きか」
 先生も真顔で答えます。
「そうした存在でしたら」
「ありますね」
「僕は妖怪の存在を否定していませんdねした」
 日本に来られる前からです。
「それはイギリスに生まれ育ってこともありますが」
「その研究の中で」
「ルーマニア等には実際に吸血鬼の話がありますし」
「スラブには」
「元々吸血鬼はスラブの妖怪でして」
 あの辺りの妖怪なのです、吸血鬼は。
「蘇った死体、呪われた人間と様々ですが」
「あの辺りでは今も実在が信じられていますね」
「それがいて逃げているという噂も」
「本当にあるのですが」
「何しろ最近まで吸血鬼退治の仕事があったのです」
 今もあるかも知れません、実際にスラブにはそうしたお話もあります。
「ですから」
「実在していますか」
「僕はそう思います」
 吸血鬼も、というのです。
「この目ではまだ見ていませんが」
「ドラキュラ伯爵も、ですね」
「ブラド四世は実在ですが」
 ルーマニアの君主でした、英雄でしたがとても残酷な人として知られています。
「あの人もともかくとしまして」
「吸血鬼は今もいますか」
「そうした噂がハンガリー辺りであります」
「そして今も逃げている」
「本当
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ