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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第八幕その十
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であって欲しくはないですね」
 先生は切実にこう願っています、本当に恐ろしいことだからです。
「まことに」
「そうですね、本当に」
「その吸血鬼のことも考えますと」
「欧州の妖怪は恐ろしいですね」
「はい、とても」
 極めて、というのです。
「日本の妖怪はかなり親しみやすいです」
「その鬼や土蜘蛛ですら」
「元々はまつろわぬ民でしたしね」
「そうそう、そうでしたね」
「まあこの辺りは複雑なのですが」
「歴史的にも民俗学的にも」
 そうだというのです。
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