神と罪
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伝ったし、時々食事にも行く仲だった。彼女から紹介された従姉妹だという少女メープルとも知り合いになった。
『なーに考え込んでるの!クロ君が考えたってそれ以上の事を妹ちゃんが考えて押し潰されちゃうんだから、クロ君はとりあえず動くっ!動いて何かを見つけるのがクロ君でしょ!』
そんな声が聞こえた気がして、ふっと口元を緩める。
言っている事はワガママめいていたけど、それがクロノを引っ張ってきたのは事実だ。
(ああ、やってやるよ。動いて答えを見つけるのがオレなんだろ―――――ナギ)
拳を握りしめる。
エインヘルヤル達は彼の指示通りにジョーカーを狙い、ジョーカーは傲慢や憤怒で確実に数を減らしていく。
ふぅ、と息を吐いて、右手を前に伸ばした。
「雷神トールに命じる。“お前の鉄槌をオレに貸せ。短い柄は魔力で伸ばせ!”」
雷を象徴する鉄槌が、クロノの右手に握られる。
伸縮自在、ブーメランのように敵に向かって投げつけるとまたトールの手に戻り、また何をどのように強く打っても決して欠ける事のない強力無比な武器。
製造の途中で悪神ロキの妨害にあいほんの一瞬だけ鞴を動かす手を止めた為に絵が少し短い欠点を有しているが、その程度ならクロノの魔力でどうとでも出来る。
重たいはずのそれを軽々と持ったクロノは、地を蹴った。
「傲慢!」
「巨人ヒミルに命じる!“映るものを睨め。柱や梁を裂いた眼力を!”」
叫ぶと、魔法陣からぬっと巨人が現れる。
かつて、その目つきの鋭さだけで柱や梁を裂き、梁の上に置いてあった8個の釜のうち7個を床に落としたとされる戦いの神の父親。
ギッと音が聞こえてきそうなほどに鋭い睨みが、傲慢を容赦なく砕いていく。
「バカな!」
「オラアアアアアアアッ!」
「くっ……」
睨みだけで砕かれた傲慢を視界に入れたジョーカー目掛けて、雄叫びをあげながらクロノがミョルニルを振るう。
間一髪で避けたジョーカーがつい先ほどまで立っていた場所に目を向けると、そこはミョルニルの一撃によってへこんでいた。
表情を歪めたジョーカーは、今度こそ一撃与えようとミョルニルを振りかざすクロノの腹に手を当てる。
「!」
「強欲!」
ジョーカーの右手から黒い光が零れ、クロノは目を見開く。
がくりとクロノの体が傾き、呼吸が荒くなり、膝立ちになる。突然ミョルニルを重く感じる。
その隙に距離を取ったジョーカーが、ニヒルな笑みを浮かべた。
「強欲は相手の魔力を奪う。僕が解除するか君が解除魔法でもかけない限りは解けないよ?」
クロノは解除魔法を使えない。
そしてジョーカーに、強欲を解く気
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